【WEST ANTS ストーリー -vol.4 風穴あけるズ-(後編)】人の力を使って前に進み、最後にまくる ~西の地下で轟く、新たな笑いの息吹~

2021年4月、大阪のライブシーンで活動する9組18人の芸人によるユニット『WEST ANTS』が誕生しました。発起人は、大阪・西心斎橋で「BAR舞台袖」を営む加藤進之介さん。大阪のお笑いを盛り上げるべく、本当に「面白い」と思う芸人を集めました。(加藤さんインタビュー:大阪を「芸人が飯を食える場所」にしたい

『WEST ANTS』主催の加藤さんが「飛び道具のような三人」という「風穴あけるズ」へのインタビュー。後編では、『WEST ANTS』加入後の想いを中心にお伺いしました。三人独特の世界観を、お楽しみください!(インタビュー前編はこちら

【WEST ANTS ストーリー -vol.0-】大阪お笑いに、新たな息吹!芸人ユニット『WEST ANTS』とは

「大阪のお笑いが変わるな」と思いました(!?)

――加藤さんから『WEST ANTS』の構想を聞いたとき、どう思いましたか?

飛び出せっ!安藤っ!(以下、安藤): なにが始まるんだろうって。一体、なにが始まるんだろうと思いましたね。僕は想像力が無いんで。まぁ、誘われたんで進む車に乗っかって行こうかなっていう。僕はそういう感じですね。

――割と受け身の態勢だったんですね。

安藤: そうですね。(自分は)あんまり開拓していくタイプじゃなく、開いている道を走っていくタイプなので、そういう感じですね。道にちょっとでも隙間が空いてたら、そこは「道」やとするんですけど。あまりにも閉じてたら、あぁもう誰かに任せようって。

――そこは「風穴あけるズ」という名前に反して……。

安藤: はい、知らん道を開けてくれるのがこの二人(コブラ・ノブヨシ)なんで。僕はその後を行くだけなんです。

コブラ: 『WEST ANTS』っていうのを最初聞いたとき、大阪で他にこういうことをやってる芸人がいないんで、一体なにが起こるんだろうと。どんな冒険が始まるんだろうって、今もまだワクワクしてます。もう始まりましたけどね、まだ僕は、「なにが始まるんだろう」と思ってワクワクしてますね。以上です。

ノブヨシ日本代表(以下、ノブヨシ): 僕はね、そうですね、やっぱ「大阪のお笑いが変わるな」思いました。

“パッパパパ”(パソコンからslackの通知音)

――失礼しました!

三人: 爆笑

安藤: 嘘発見器や!

コブラ: 反応してたよ。

安藤: 稲妻がパーンと落ちました。

コブラ: パッパパパ!

ノブヨシ: (爆笑)

安藤: (ノブヨシは)「こんな連絡来てたで」のときと、一緒の返事してた。「WEST ANTSが……」「あーオッケーオッケー」。一番いつも通りの返事。

ノブヨシ: 一番軽かった。

安藤: まあまあ、そんな感じですね。はい。

にぼしいわしに踊らされてる

――「風穴あけるズ」が「WEST ANTS」に入る決め手はなんだったんでしょう。加入にあたって、なにがメリットだと思いましたか?

安藤: メリットは、僕らが何もしなくてもライブの数が増えるということ。

ノブヨシ: あー、確かに。

コブラ: そうそうそうそう。

安藤: 勝手に増やしてくれるんで、それに乗っかろうということです。僕はほんまに、「絶対的7%」と「にぼしいわし」がいたら勝手に進んでいくだろうと思ってたんで。まあ、案の定勝手に進んでるんで、それの後ろを流れるように、ウェイクボードみたいに引っ張ってもらってるだけなんで。

コブラ: にぼしいわしおるし。にぼしいわしに任しとけばいっか、っていうのが一番でかいですよね。

――にぼしいわしさんへの信頼は厚いんですね。

コブラ: 一番結果残してるんで。

ノブヨシ: そうっすね。すごいっすよね。

コブラ: だから、集合写真みたいな9分割のあるんすけど、風穴あけるズが真ん中やったときに「あれ、もしかして頑張らなあかんの?」と思いました。

「WEST ANTS」公式HP トップページより

安藤: そこで気付いたんや。

コブラ: 「そんなつもりはなかったんやけど」っていうのはちょっと思いましたね。

安藤: あれはひどいな。黙ってあんなメインに置かれても、そんな覚悟してないんで。

コブラ: 俺は、下の真ん中が良かったから。

安藤: にぼしいわしと絶7(絶対的7%)が真ん中で。

コブラ: そうそうそう。

安藤: 「どっちかが真ん中やろ」って思ってたんですけど、俺らが勝手に祭り上げられて。

コブラ: 森田(絶対的7%)が、口癖みたいに言うてます。「風穴さんがトップですから」みたいな。いや全然違う。

安藤: タレント政治家みたいなことされてます。勝手に祭り上げて。

コブラ: 広告塔(笑)。

――そうなんですね。個人的には、風穴あけるズさんは一番有名だと思うので真ん中で違和感ありませんでした。

三人: いやいやいやいや。

――テレビにも出てらっしゃいますし。

コブラ: それは、絶対にぼしいわし。

安藤: 俺らは中身が伴ってないんですよ、名前だけ独り歩きして。

コブラ: そうそうそうそう。

安藤: 独り歩きさしてるやつがおるんですよ。勝手に服剥いで、マネキンに着せて、前走らしてるやつがおる。そいつが悪の元凶なんですよ。そういう奴のせいで、僕らは勝手に祭り上げられて、踊らされるというわけなんで。

ノブヨシ: 踊らされてるんですね。

安藤: 踊らされてるんですよ、僕らは。にぼしいわしとかいうやつに。

思ってたよりモーターがたくさん付いていた

――「WEST ANTS」での活動が始まって、反響はいかがでしょうか?

安藤: なんていうんすかね。思ったより、失礼な話……船のモーター1個だと思ったんすけど、5~6個付いてたんで、めちゃ速くて(笑)。

コブラ: 確かに確かに。

安藤: めっちゃ決まること早くて、正直僕らついていけてないんです。そのスピードに。モーターいっぱい付いてんの知らんかったし、加藤くんというね、整備士の腕があまりに良すぎて。僕らが受け止められへん風を受けて、今走ってるんで。今、その、踏ん張るので精一杯で、はい。ただ移動してるだけですね。

――加藤さんたちの仕掛けるものに流されるまま、まわっている感じなんですね(笑)。

安藤: そうです(笑)。あいつらがなんかね、でっかいうちわで扇いでんすよ。「お前らが前でやれ」みたいな状態なんです。だから、まだ僕らがついていけてないです。うん。風を受け入れてないですね。

――思っていたよりも反響が大きかったし、ということなんですかね。

安藤: そうっすね。

――お客さんから、直接反響を聞くことはありますか?

安藤: 僕らは直接聞かないですけど、他の芸人経由で聞くことはありますね。遠まわしに。「そんな声もあるんやな」っていう感じっすね。

――にぼしいわしさんとかはフリーでやってらっしゃるので、声も届きやすいのかもしれません。

三人: 確かに確かに。

安藤: 僕らはやっぱ、松竹で、中途半端な芸歴まで行ってしまって。で、直接若手芸人と絡むこともなければ、社員とも絡むことない。松竹のお客さんの前に現れることがあんま無いんで。声が届かないところにいるんですよ、僕ら。

コブラ: 俺ら、なんもやってない。

安藤: だから、今ちょうど、誰からも遠い場所みたいな……全員からの距離が「ちょうど真ん中」みたいなとこにいる。「なんか向こうで起こってるけど」みたいな。

――そうなんですね、それはそれで動きやすそうですけどね。

安藤: そうですかね?でも、ちょっと近付いてみたら他も同じ距離感で動くんで、なかなか追いつかない状態がぐるぐるぐるぐる回ってるんすけど(笑)。

ツッコミやで

――7月には、「WEST ANTS」の東京遠征がありましたね。東京遠征はいかがでしたか?

安藤: 満席で配信もめっちゃ売れてるみたいな感じなんすけど、それにはまだ気持ちが付いていけてないですね。そんなこと、こっち(大阪)では全然無いんで。まだまだ付いていけてないですけど、「なんか起こってるな」って。

ノブヨシ: その熱気はすごい。

安藤: 熱すぎて僕は気付いてないだけかもしれない。真ん中におるけど、じわじわあっためられたから。

ノブヨシ: そうですそうです。

安藤: なんやったっけ、なんか蛙が死ぬときみたいな。水ん中に蛙入れてて、だんだん……。

コブラ: いいいい、その、蛙が死ぬ説明。なに?「水ん中に蛙入れて」、じゃないんですよ。

安藤: どんどんどんどん温度上げていったら……。

コブラ: それがどういう状態ですか?って聞かれてないでしょ。興味ないんですよ。

安藤: 蛙がね、死ぬんですよ。気付かんと。

コブラ: まあまあまあまあ、なるほどね。

安藤: 今その状態です。僕ら、そのうち死にます、ぶっ倒れます(笑)。

――死なないように頑張ってください。

三人: 爆笑

安藤: 頑張ります。東京遠征については、ほんまに僕らなんもできてない。

コブラ: 東京遠征は、新幹線が遅れてもうたりして、ちゃんと参加できなかったんですよ。行ったらすごい盛り上がってるって状態で、ネタやったらすごい笑ってくれてっていう。

安藤: (自分たちが)着いたとき、「ボニーボニー」なんかもうドン疲れの状態でおって、逆にハイになってて。俺らは初めてだから探り探り行こうと思ってるのに、もう花崎(ボニーボニー)とかウワーなってて、ちょっと話できるやつ探さなあかん、と思って。

コブラ: そうなんすよ。僕らが最後に着いたんで。

安藤: ボニーボニーはすでにフィナーレを迎えようとしてたんで、「ちょっと待ってくれ、俺らまだ、エンジンかかってないから」って。

コブラ: てか、俺ら以外の「WEST ANTS」のメンバー全員フィナーレでしたね。それもあって、実感しきれなかったっていうのはありますよね。

安藤: そうですね、最初からもっとおったら違うかったかもしれないですけど、まだその気持ちと熱が追いついてなかったんで、そこですね。やっぱ乗り切れなかったな、俺らだけ。

ノブヨシ: 確かに確かに。

安藤: それで波に乗り切れなかったっていうのはありますね。

――きっとこれから波が来ますよ。

安藤: その波に気付かんまま……。

コブラ: うるせえなお前、ずっと。

安藤: なんや。

コブラ: 波にとか、船とかが多いねん!

安藤: 例えやん。

コブラ: 例えが多すぎて。

安藤: 俺ツッコミやで。

コブラ: 「モーター5~6個」ぐらいのところから、俺、例えが多いなと思ってて。

安藤: 分かるやろ、それは。

コブラ: ほんで、なんか「でっかい風ですよね、そうですね、あいつらうちわ持って」って言ったから「今度うちわか」って。今どこにおんねやろって。

安藤: いやいや、想像力、想像力がいるわお前。分かるってみんな。

コブラ: ほんで最初「広い道路で」って。最初は道におったのに、今度海行って。

安藤: いやいや、付いてこんと。

コブラ: で、今度蛙の話するし。

安藤: 例え話やから。

コブラ: ちょっと、ほんまそっちの方に集中してます、安藤さんの言ってること。

安藤: いやその、例え話よ、分かるやろ。分かりやすいために、例え話してんねんから。

コブラ: 全部例えるから。

安藤: 例えるやろ、そら。

コブラ: いや、言葉で答えた方がいいですよ。

安藤: 言葉で例えてる。例え例えで。

コブラ: いや、そんなやついないっすよ。

安藤: 例え例えでやっていかんと。ツッコミやで。

コブラ: それなんなんすか?

安藤: ツッコミは例えるもんやろ。

コブラ: 例えツッコミより、明確に言った方がいいです。

安藤: いっぱい、いっぱい例えるよ。

――風穴あけるズさんの東京遠征は、前のめりというよりは、意外と探り探りだったんですね。

安藤: いや、なんて言うんすかね、前向きなんすけど、やっぱ気持ちが付いていかない……。こういうの、やっぱ時間がいるんで。

コブラ: 付いていけてない要素がいっぱいあったんですよ。新幹線が遅れたし、対戦相手が決まらへんっていうのもあったんですよ、僕ら。みんなは対戦相手に対して「やったるぞ」ってなるんすけど、僕らはずっと「誰とやんねやろ」っていう。で、そのライブに遅れて行って、気付いたら「サスペンダーズさんと勝負や」ってなって。初めましてぐらいの感じで、もう「勝負や」ってなってるんで。そこはちょっとね。気持ちが……、まあ、例えるんやったら「ジャンボジェット機」みたいなんすかね。

安藤: 全然分かりにくい。俺の足元にも及ばん、お前は。

コブラ: その道を行きたくないな。

ノブヨシ: けど「WEST ANTS」入って良かったんが、東京行くときに寝台列車乗ったんですよ。めっちゃ良かった(笑)。

安藤: それはお前の、ただのチョイスやろ。別に「WEST ANTS」が乗せてくれたわけじゃないやろ。

ノブヨシ: いや「WEST ANTS」が乗せてくれたから。

安藤: いや乗せてくれてないよ。

ノブヨシ: 例えな。「WEST ANTSっていう勢いが」です。

安藤: いやいや、俺のときはまだ分かりやすかったのに、どんどん分かりにくくなってる。

コブラ: 僕、安藤さんがなに言ってるかわかりません。

安藤: それはあかんよ。

コブラ: モーター6個あたりが一番おもろいっすね。

安藤: ここはもう、みんな共感する。首を縦に振りすぎて首取れるで。

ノブヨシ: 首取れる?

安藤: 首取れんで。あの、イチローのメジャーリーグの人形みたいな。ポーーンって、縦振りして、コロコロコロコロ―って。

コブラ: どんぐりころころー

安藤: それは違う。それは違うんです。

――ノブヨシさんだけ寝台列車だったんですよね。

安藤: あれは、こいつが勝手に「快適に旅をしたいから」と言って新幹線よりも1.5倍くらい高い寝台車を予約して、結局止まってた。

ノブヨシ: 名古屋あたりで止まってしまって。大雨だったんで。そっから結局新幹線で。

安藤: 目覚めたら名古屋におったらしいんですけど、まだ大丈夫と思ってたらしいす。

ノブヨシ: まだまだ火は灯ってる、……あ。

安藤: 喋れよ。

コブラ: 喋りそうにしてたんすよずっと。

ノブヨシ: まだ火は消えてなかったっす。

コブラ: だからその、寝台列車で東京まで行けるっていう希望の光がね。

安藤: 無理やったやろ。

ノブヨシ: フォローありがとうね。

コブラ: ありがとう。

安藤: 傷舐めあうな。

コブラ: 俺は傷負ってないわ。まだ。

ノブヨシ: (笑)。

安藤: 知らん間にズタボロやで。元から傷いってた。

コブラ: 全然、ほぼ無傷。

風を避けて走る

――「WEST ANTS」の中で、風穴あけるズさんはどのような立ち位置にいると思いますか?

ノブヨシ: えー、位置かぁ。

コブラ: えーでも、例えるってなると分かんないですね。

安藤: 例えたがってるやん。

コブラ: 例えたがってないです僕は。例え、うるせえって。

安藤: 例えたがってる、俺の領域に侵入してきて、

コブラ: いやいやいや、じゃあ例えてくださいよ今のも。

安藤: 立ち位置……あのー、ジェンガで、3割くらい進んだときの真ん中くらいの抜く……、ちょっとこれ、例え失敗しました。

ノブヨシ: (笑)。

安藤: どうしよ。ちゃんと言お。

コブラ: 難しいですよね、立ち位置。でも僕は、なるべく姿を消そう消そうとしてるんすよ。

安藤: え?

コブラ: だって他のメンバー、ほんますーごい頑張ってるんで。やのに俺らがずっと偉そうにおってもしゃあないんで。頑張ってるメンバーらがどんどん前に行って、しんがりを務めたいって気持ち。一番ケツでゆっくり歩きたいって気持ちが強いです。

安藤: なるほどな。

コブラ: 終わっちゃった……。俺がただ怠け者って話だけで終わっちゃった。

――安藤さんとノブヨシさんはいかがですか?

安藤: 絶対的7%の森田っていう、とんでもない素行不良芸人がいるんですよ。素行不良芸人を監視する役として僕はいるんで。僕の立ち位置はそれです。絶対的7%・森田のいろんな素行不良を監視する警察として、僕は入ってるんで、そこですね。

ノブヨシ: えーほんだら………………

安藤: ほんだら?

コブラ: まだなんも考えてなかったやん。

ノブヨシ: ドラえもんで言ったら、学校の先生です。

安藤: これはあかん、これはさすがに意味分からへん。

コブラ: 僕より薄いですよ。

ノブヨシ: たまにね、たまに出てきて。

コブラ: 僕より薄いですよ。大丈夫ですか?

ノブヨシ: たまに出てきて………………

安藤: たまに出てきて?

コブラ: 休もうとしてる?嘘でしょ。

安藤: お前、ずっとおるで。

(沈黙)

安藤: いや、答えになってないで。終わってない終わってない。ちゃんと答えて。

ノブヨシ: 例えるならね…………

コブラ: ちょ、例えんで良いんよ。ほんまに「WEST ANTS」で自分がどういう立ち位置かっていうのを言えば良いんすよ。

ノブヨシ: 無理しすぎた。無理しすぎたわ(笑)。

安藤: いや言えって。

ノブヨシ: いや違う。無理しすぎた、無理しすぎた。

コブラ: なんで会話できひんように……。

安藤: ちゃんと言えって。

コブラ: みんなについていけるように頑張りたいです、とかでもいいんですよ、別にもう。今そこまで来てんすよ。

ノブヨシ: ……。

安藤: まんま言うなよ、絶対。

コブラ: もう言いかけてましたよ。

ノブヨシ: まぁそうですね、

コブラ: 先頭切って走りたい、とか言ってもいいんですよ。

ノブヨシ: あー、マジすか?

コブラ: それもありっすよ、だから。

安藤: それは言わんねん(笑)。それは絶対言おうとせんねん。

ノブヨシ: えーっとねえ、マラソンで言うと、(他のメンバーが)第1集団走っとって、はい。僕らは第2集団の先頭ぐらいをちょっと頑張って走って、様子を伺って、走って行ければいいなと思います。

安藤: 一番怠けた回答してるな。

コブラ: 「WEST ANTS」って1軍しかないのに、その集団の後ろにつくの意味分かんないっす。

安藤: 勝手に、後ろでお前が知らんやつと集団作って。

コブラ: 誰と走ってるん。

安藤: 知らんで、勝手に後ろで、第2集団。

コブラ: ずっと喋りたそうやったのに。

安藤: いざ喋り出したら変なこと言う。

――でも、集団全員が一番になりたいって言ったらごちゃごちゃしちゃうので……。

安藤: そうなんですよ。先頭を走りたい、ね、人間がいるんで、それはもうそうしていただいて。それで僕らは風を避けて。後ろおったら。

コブラ: 最終的にはまくってやろうと思ってますけど、はい。風を避けてたから。

安藤: F1みたいなならんかな。後ろで。

コブラ: マラソンでいいですよマラソンで。なんでこんな、もっと速い乗り物に乗りたなったんですか。勘弁してくれ。

安藤: F1みたいにな。

コブラ: 悔しかったんすか?マラソンの例え。俺やったらもっとって。

――「WEST ANTS」として、これからやりたいことはありますか?

安藤: これからやりたいこと……。これ、メンバーとかどうなるんだろうみたいなの興味ありますよね。増えるのか、どうなのか。

ノブヨシ: 確かに。

安藤: 減る可能性もあるし、分かんないすけど。増えるのか減るのか、その行く先を見届ける「見届け人」として……「WEST ANTS」の警察とか見届人とか(笑)。

コブラ: あなたいろいろやってる。

安藤: もう、官僚みたいなことしてるから。

コブラ: あぁ、なるほどね(笑)。

安藤: 行く末を見てやろうと思います。

――どちらかというと、後ろというよりちょっと上にいるような感じですね。

コブラ: 安藤さんはね。僕らはそういうつもりは無いんすけど、安藤さんはそうですもんね。

安藤: いや、これは、ほんまに気付かん間に先頭集団がめっちゃ必死に走ってるんで、気付かれないように、服に縄引っ掛けて、それの後ろに台付けてそれに乗って、みんなの馬力で僕はなんとか……で、できるだけ体力を使わずに移動してるので、見届けてる感じ。人の力を使って進んでます(笑)。

秘密の言葉

――この記事を読んでいる方に、メッセージをお願いします。

安藤: あー、なんですかね、なんやろ、これが一番難しいかもしれん。「WEST ANTS」も良いですけど、「心斎橋角座」も忘れないで下さい。

ノブヨシ: それはそうすね。

コブラ: 記事を最後まで読んだ人にメッセージっすもんね。ほんまに最後まで読んだかどうか、自分の胸にしっかり手当てて考え直してみ……

安藤: だから。

コブラ: あー入ったで、今。「だから」っていうの、今俺が、読者へのメッセージ言ってたのに。あんたの「だから」って入ってもたよ今。

安藤: ごめんごめんごめん、言いたくなったんや。最後まで読んだことを証明するために、「秘密の言葉」を載せるってのは?

コブラ: あー、確かに、じゃそれでいこう。

安藤: 秘密の言葉は?

コブラ: ちょっと待ってください。そんな目で僕の方を見ないでください。なんで「秘密の言葉」、僕が考えんねん、嘘やろ。………………『たわし』で。

ノブヨシ: そうですね。この記事を読んでくれた人は、風穴あけるズのことを分かってると思うんで、これを自分の家族とか、友達とかに広めてもらったらどんどん広がっていくと思うんで、広めてください。とりあえず「風穴あけるズ」という名前を、知り合い、友達、家族に、はい。お願いします。

安藤: おい、それが大ボケのすることか。

ノブヨシ: お願いします。

安藤: たまに、そういう当たり障りないこと言って逃げるよな、お前。

――コメントを言う順番、これで合ってますかね?

安藤: あってないです。絶対。

ノブヨシ: ツッコミやったんちゃう?

コブラ: お前が?

ノブヨシ: うん。

安藤: たまにそう言って追い込まれたら、「もう思いつかへん、そんなん」ってめちゃ怒るよな。

ノブヨシ: 思いつかん。

コブラ: もう手上げてるから許したって。

ノブヨシ: もう思いつかへん。

安藤: なんでそれで許されんねん。

コブラ: 当られてもないのに求められてもな。

ノブヨシ: お前、よう分かってるな。

安藤: こんなん許されへんで。

コブラ: 当てられて初めて、「思いつかん」やったら分かる。

ノブヨシ: すごいよう分かってくれてる。

コブラ: 自己申告制。

ノブヨシ: コブラ、よう分かってくれる。さすが。

安藤: 甘えてるやん、お前、コブラに甘えてるやん。

ノブヨシ: ありがとう。

――ちなみに、「秘密の言葉」はどこかで確認したりしますか。

安藤: あーライブで?どうする?

コブラ: 誰が言うんですかそんな、ライブで。ライブでそんなん言います?「はい、じゃあ読んだ人、合言葉」つって。お客さんが「たわし」って言います?言わんでしょ。Twitterで「#たわし」にしときます?

安藤: いつかどこかで確認します。いつかどこかで確認することがあるかも知れない。

コブラ: ライブではやらない。ライブでは無理がある。

――最後に言い残したことなどないでしょうか。

コブラ: 「全部嘘です」って書いといてください。最後に。

安藤: そんなどんでん返しないで、そんな、映画でもないで。

コブラ: 最後に言い残したこと、ノブヨシさんあります?

ノブヨシ: なんすかね、ちょっと待ってくださいね。言い残したこと、なんやろな。

コブラ: じゃあもう「ノブヨシ:なにも思いつきませんでした」にしといてください。

ノブヨシ: それでそれでそれで。

コブラ: それでええんかい。

安藤: あかんよ、すぐ諦める癖やめーや。

ノブヨシ: 無理や、ごめん無理や。

コブラ: そんな追い込まれるインタビューじゃなかったですよ。

ノブヨシ: けど、楽しい取材をありがとうございました!

安藤: 誰が締めてんねん(笑)。

【前編を読む】テレビにたくさん出て、国民全員を「勘違い」させる

取材 ライター:藤田 うな、写真:サトミメイ
編集 堀越 愛


<風穴あけるズ|プロフィール>
松竹芸能 所属。ユニット『WEST ANTS』に所属。

左:ノブヨシ日本代表
中:飛び出せっ!安藤っ!
右:コブラ

★公式プロフィール:https://www.shochikugeino.co.jp/talents/kazaanaakeruzu/

PERFORMERS

  • ノブヨシ日本代表/風穴あけるズ

    松竹芸能 所属。

    ・Twitter:@bekotter

    ・Instagram:nobiyoshi_yorikawa

  • 飛び出せっ!安藤っ!/風穴あけるズ

    松竹芸能 所属。

    ・Twitter:@and_aaaa

  • コブラ/風穴あけるズ

    松竹芸能 所属。

    ・Twitter:@hayato_dayone

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