売れるとは「狩野英孝」。目指すはテレビスター【カナメストーン インタビュー(中編)】

カナメストーンは、マセキ芸能社所属のお笑い芸人。今、東京トップクラスの注目を集めていると言っても過言ではありません。前編~後編の3部作でお届けするこのインタビュー。中編では、事務所ライブ「バーガンディレッド」への想いと、お世話になっている先輩・狩野英孝さんとのエピソードをお話しいただきました。

★前編はこちら:「粉吹いてんのかよ!」で逆転した印象

「逆にチャンス」バーガンディレッドで売れるしかない

―お二人にとって、憧れの芸人さんはいますか?

東峰零士(以下、零士) 自分たちと同じく、同級生同士のコンビは見ちゃうよね。ダウンタウンさん、さまぁ~ずさん、とんねるずさんとかね。あと、大阪の「baseよしもと」時代の雰囲気がすごく好きです。千鳥さん、笑い飯さん、ダイアンさんとか。あの感じ、ずっと憧れだよね。

山口誠(以下、山口 そうね、面白いことだけをやり続けてる。

零士: そうそう、あの雰囲気。男くさいというか。ずっと憧れてますね。

―「バーガンディレッド」の皆さんで、そういう雰囲気を作っていきたいという感じでしょうか?

※バーガンディレッド:マセキ芸能社主催ライブ。レギュラーメンバーが毎月2本ずつネタを披露する。

零士: それができたら最高ですよ!バーガンディレッドのメンバーで!ありがとうございます、名前出していただいて!やっぱり、レッドのメンバーは一体感がありますよ。……事務所の中でも、ちょっと特殊なお兄さんたちが入ってるところなんで……(笑)。

山口: まぁ、バーガンディレッドってなんていうか、見放されかけおじさん……。

零士: あ~、一言で分かりやすく言ったね。俺の口からは言えなかったんだけど、言ってくれたね。

山口: 見放されかけおじさんが入ってます。でも「何でだよ、おいおい」と。

零士: 全員面白いしな。年齢で勝手にそうなってるだけで、本人たちのエネルギーなんて全然衰えて無いし。確かに、今、若手がきてます。でも若い子たちにエネルギー負けしてる場合じゃない。だから、このメンバーで売れたら超嬉しいっすね。

山口: 2年前に発足してから、メンバーがどんどん辞めてったりしてるんで……なんていうか、独特な空気はありますよ。

零士: うんうん。でも別に、負の部分は全然気にしてない。もうやるだけ。逆にチャンスじゃね?みたいな。

山口: 売れるしかねぇな、っていう。

零士: 全員優しいしな。しゃもじのたーにーさんなんて、いつもネタ前に袖で熱い一言くれるんですよ。

山口: 「暴れてこいよ!」とか。

零士: すごい優しいっすよ。「お前らに売れてほしいんだよ」って平気で言ってくれるじゃん。普通言えないよ。もう、本当に素晴らしいメンバーです。

―モグライダーさんは、最近まで「ライラックブルー」の一員でしたよね。「バーガンディレッド」に来たときはどんな感じだったんですか?

※ライラックブルー:マセキ芸能社主催ライブ。事務所を担う実力・人気のある所属芸人が新ネタを披露する。

零士: 「やったー!面白い人が入ってきた!」って思いました。しかも、マネージャーさんから「エクストラシルバーとバーガンディレッド、どっちに行く?」って聞かれてレッドを選んでくれたらしいんですよ。今はライブのすべてをまわしてくれてるし、感謝しかないですね。バーガンディレッドの話になると、熱くなっちゃいますね。

※エクストラシルバー:マセキ芸能社主催ライブ。3か月に1度開催されるライブで、マセキ芸能社所属芸人と他社ゲストがネタを披露する。

山口: みんな熱い気持ち持ってますよ。

零士: 誰一人として腐ってないし。「なに言ってんの?まだまだやるでしょ!」って感じです!

カナメストーンがMCの番組でロケに行く、それが俺の夢

―お二人にとって、「売れる」とはどういうことですか?

零士: 想像でしかないけど、打ち上げのときにお金を気にせず「どの店でも良いよ」って言えたら、売れてるってことじゃないかな。

山口: そうね。

零士: 高い焼肉屋さんに後輩を連れて行ったりね。僕ら、事務所の先輩の狩野英孝さんに良くしてもらってて。売れてると言えば、あの人ですね。

山口: 狩野さんって、“THE売れてる”を示してくれるんですよ。俺らがマセキに入る前から可愛がってもらってるんです。入る前なのに、「お前ら面白いから旅行に行こう」って零士にDM送ってきて。

零士: 朝にTwitterのDMが来て、「これなに!?偽物!?」と……でもアカウントを見たらフォロワーが何十万人もいて、「あ、これ本人だ」と。

山口: 零士が俺を起こしに来て、「なんかすごいの来てる!」って。……で、行ったらもう、すごい高級旅館。

零士: 他のお客さんいないしね。「売れてるってこういうことなんだ!」って初めて実感しました。しかも優しい。だって、運転とかも全部狩野さんがしてくれて、俺らには一切させないんですよ。焼肉に行っても、「後輩にはさせたくない」って全部焼いてくれて、お皿にもよそってくれる。売れるって、ああいうことだと思います。

山口: その上、「お前らが売れたら、カナメストーンがMCの番組で俺がロケに行くから」って。

零士: 「それが俺の夢だ」って言ってくれるんですよ。今話してて思いました。売れるって、「狩野英孝」です。

―狩野さん、かっこいいですね……

零士: 狩野さんがテレビで絡むのって、狩野さんより上の先輩じゃないですか。だから“狩野さんが先輩としてどうか”ってあんまり世に出てないんですけど、こういう人なんです。かっこいいんですよ。

昔から応援してくれている人が、喜んでくれる売れ方をしたい

―MCをやるとしたら、「こうしたい」という理想はありますか?

零士: 狩野さんがMCのライブに出ると、出番前に「今日どんなこと話したい?」と聞いてくれるんですよ。伝えると「OK!」って言って、本番でスッと振ってくれたりして。後々聞いた話によると、「MCは絶対に(芸人と)一緒に滑りにいかなきゃいけない」という考えがあるらしくて。

山口: 狩野イズムです。

零士: 「若手が滑るなら、一緒に俺も滑りにいきたいんだ」って話してくれて。我々もMCをやる上で、この魂は持つようにしてます。今後、テレビに出てMCできるようなことがあっても、この魂は絶対忘れないでやります。超感銘受けたんですよ。こんな優しいんだ。こりゃ良いライブになるよなぁ、って思ったんで。

山口: 俺は、零士を追い込んで楽しみたい。「全員で零士を追い込もうぜ!」って気持ちでね。お客さんも含めてね。

―これからどんな仕事に挑戦したいですか?

山口: さまぁ~ずさんがやってるような番組、全部やりたいですね。「さまぁ~ず×さまぁ~ず」とか「モヤモヤさまぁ~ず」とかね。2人で楽しみながら作り上げていくような。

零士: ずっと憧れだもんね。分かるわ~。

山口: さまぁ~ずさんがやってる番組やりたい。

零士: よわぁ~ず……。さまぁ~ずさんの弱いバージョンいけそうじゃない?

山口: よわぁ~ず(笑)!見つけてほしいなぁ。

―今はメディアがたくさんありますよね。その中でも、やっぱりテレビを重点に置いてるんでしょうか。

零士: テレビスターになりたいという気持ちは、ずっと変わってないんです。ラジオもライブも大切です。けど、やっぱりテレビスターになりたい。ラジオやライブで俺らを知ってくれた人に、喜んでもらえるような出方をしていきたいですね。テレビに出て、応援してくれてる方に「俺、昔からカナメストーン知ってるよ」って顔をしてもらいたいです!

<カナメストーン|プロフィール>
2010年4月1日結成。マセキ芸能社所属。

左:山口 誠(やまぐち まこと)
1986年6月24日生まれ。AB型。茨城県鹿嶋市出身。静岡産業大学経営学部スポーツ経営学科卒業。趣味は危険生物の動画を観る、駅伝を観る、皮膚科に通う。特技はサッカーのボランチの知識、人物描画、良い皮膚科かどうか見極められる。

右:東峰 零士(とうみね れいじ)
1986年12月19日生まれ。B型。茨城県鹿嶋市出身。拓殖大学商学部経営学科卒業。趣味は鹿島アントラーズ、ショッピング、洗濯、カナメストーンのことを呟いてくれているツイートにいいねを押す。特技はボクシング、大声、街でカツラの人にいち早く気付く。

公式サイト:https://www.maseki.co.jp/talent/kanamestone


★後編はこちら:「ネタで勝つ!」売れてもずっと漫才を続けたい

インタビュー:渡辺 陽、撮影:秦 法爾、編集:堀越 愛

PERFORMERS

  • 山口 誠(やまぐち まこと)/カナメストーン

    マセキ芸能社所属

    Twitter:@ks_yamaguchi
    Instagram:@ks_yamaguchi/

  • 東峰 零士(とうみね れいじ)/カナメストーン

    マセキ芸能社所属

    Twitter:@REIJITTY
    Instagram:@ks_reiji

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