今年で芸歴3年目となる注目の若手コンビ・竹内ズ。「インタビューを受けるのは今日が初めて」というお二人にコンビ結成~未来の目標まで、たっぷりお話を伺いました。インタビューは前編・中編・後編の3部作。前編では、芸人を目指したきっかけや人力舎のお笑い養成所時代のエピソードなど、竹内ズのルーツを教えてもらいました。
お笑い番組を観て芸人を目指し、人力舎の養成所へ
—お二人が芸人を目指したきっかけは何だったのですか?
がまの助:僕は大阪出身なので、「お笑いをやりたいな」という気持ちはずっとありました。ただ、一歩が踏み出せなかったんですけど、中学2年生のときに観た『M-1グランプリ(2009)』で笑い飯さんが鳥人のネタをやっていて、それを観たのがきっかけです。「やりたいな」が「やる」に変わったというか、こんな独創的なネタを人前でできるのがすごく羨ましくて、自分もそういうネタを作ってみたいなって思いました。それで高校生になって『ハイスクールマンザイ』っていう高校生の漫才コンテストに出場してみたら、人前でネタをするのがすごい楽しくて、それから絶対に芸人になろうって決めました。
竹内大規(以下、竹内):僕は『爆笑レッドカーペット(2008~)』が始まった頃に『エンタの神様』とかも観始めて、誰が好きっていうより、「お笑い芸人っていいな」って思うようになりました。コントや漫才をやりたいとかは特になく、ただただお笑い芸人になりたいなって。でも、結局きっかけは、大学生になってからなんです。実はあまり大学には通っていなくて、将来のことを考え始めたときに、実家が屋形船屋をやっていまして、その家業を継ごうか迷ったんです。でも芸人も好きだし、売れたら芸人のほうが稼げるかなって思って、イチかバチかで芸人を始めましたね。そこで大学も辞めて養成所に入りました。
—お二人はスクールJCA(人力舎のお笑い養成所)でコンビを組んだそうですが、なぜJCAに入ろうと思ったのでしょうか? 特にがまの助さんは大阪出身であまり馴染みがないと思うのですが。
がまの助:『ハイスクールマンザイ』で優勝したらNSC(吉本興業の養成所)の入学金が免除されるので、最初は僕も、優勝してNSCに入れたらいいなと思って大会に出たんですけど、全然ダメで。準決勝まではいけたんですけど決勝にいけなくて、そのときに「才能無いんだな」ってちょっと心が折れちゃって。僕は関西弁のしゃべくりみたいなお笑いよりも、天竺鼠さんとか野生爆弾さんみたいな尖ったコントをする人たちが好きで、ずっとコントをやりたいなって思ってたんです。で、コントで有名な事務所ってどこだろう?って考えてたら人力舎でした。大阪の笑いの発想を持つ僕がJCAに入ってみたらどうなるんだろう?って思ったのが入ったきっかけです。
竹内:僕も大学を辞めてJCAに入る前に1回NSCに入ったんですけど、組んだ相方がどんどん辞めていっちゃって、卒業前に大きなライブがあるんですけど、その直前にもまた解散してしまって……。それで結局NSCに入ったはいいけど、解散を繰り返すなら、吉本に入れたとしても先がないなって思って、そのままNSCを辞めました。その後1年ぐらいは他の事務所に入るためのお金を稼ぎつつ、月に1回フリーライブに出る、みたいな生活をしていました。それからちょうど1年経った頃に、人力舎の同期に車海老のダンス・根本ってやつがいるんですけど、彼はもともとお笑い始める前からの友達で、たまたまJCAに入るっていう報告をしてくれたので、このまま一緒に入っちゃおうっていう感じでしたね。
がまの助:友達がひとりいるから、入りやすかったという。
竹内:そうだね。NSCのときは緊張してしまうところがあって、あまりうまくいかなかった。でも、JCAなら知り合いもいるし、気持ちも楽な状態で授業に出られるかなと思って、入ってみたら大正解でした。
解散のタイミングが同じ。「お試し」から始まった竹内ズ
—JCAに入ってからコンビを組むことになった経緯を教えてください。
がまの助:僕の場合は身長が低いので、高い人なら誰でも良かった感じです。JCAに入学して最初の1カ月で、「とりあえず相方を見つけて1本ネタを作って見せてください」っていうのがあって。それで最初に組んだ相方が、緊張をほぐすためにお酒を飲んでしまい、ネタ見せのときにはベロンベロンになっている…という人で(笑)。さすがに解散しましょうってなったときに、たまたま竹内君も相方とうまくいってなくて。
竹内:そうそう。そのときの相方は、もともと声優志望だったけど芸人を目指すことにした人で。相方と言っても、ほとんど初対面の知らない人同士じゃないですか。そんな関係性なのに僕が彼の外見をいじっちゃったんですよ。そしたらいじられキャラが嫌だったらしく、「ライブ以外でそういうことはやらないで欲しい」って言われて。それでもウケるからといじり続けてたら、1回めちゃくちゃキレられて、解散しようってなりました。
がまの助:それで、解散するタイミングがちょうど一緒で。僕はもう背が高い人なら誰でもいい、で竹内君はネタが書ける人なら誰でもいいって感じだったんで、「1回お試しで組んでみましょう」って。
竹内:「やりますか」くらいの感じでね。運命的な出会いやドラマがまったくない(笑)
がまの助:タイミングが良かっただけ(笑)
—「竹内ズ」というコンビ名の由来はどんなものなんでしょうか?
竹内:ライブとかで由来を聞かれたときは、「(ネタはがまの助が作っているため)僕が何もしてないんで、コンビバランスを取るために竹内という名前をコンビ名に入れた」と話してます。
がまの助:言ってるね。でも本当は、ネタ見せのときにホワイトボードにコンビ名をずらーっと書いていくんですけど、僕らギリギリまで決まらなくて、とりあえず僕がボケで「竹内ズ」って書いたんですよ。竹内君が嫌がって「コンビ名、変えよう」って言ってくるかなと思ってたら、「全然いいよ」って。じゃあもう「竹内ズ」でいこうってなりました(笑)
竹内:本当にこだわりとかがなくて。一応「竹内ズ」って決まりそうになったときに、それだったら「炭竃ズ(がまの助の苗字)」でもいいよって聞いたら、それは嫌だったみたいで。
がまの助:嫌じゃないですか、自分の名前がコンビ名に付くって。それを嫌じゃないって言ってるのがすごいなって。
竹内:別に全然怖くなかったです。でも、二人とも「竹内」って名前なのかと勘違いされます(笑)
★続き(中編)はこちら:キングオブコントへの向き合い方とコンビの役割分担
<竹内ズ プロフィール>
2017年コンビ結成。プロダクション人力舎所属。
左:がまの助(がまのすけ)
1995年7月27日生まれ。O型。大阪府出身。趣味は、小道具作り・フライヤー作り・銭湯巡り・レトロゲーム。特技はどこでも寝られること。
右:竹内 大規(たけうち だいき)
1993年11月11日生まれ。AB型。東京都出身。趣味は、はしご酒・野球。特技は竹馬・フラフープ・船の操縦。実家が屋形船のお店をやっている。
PERFORMERS
-
がまの助(がまのすけ)/竹内ズ
プロダクション人力舎所属
Twitter:@Gama7727、Instagram:@gama.nosuke
-
竹内 大規(たけうち だいき)/竹内ズ