【百喜利インタビュー ~蓮見翔&吉原怜那~】ダウ90000が脳内ストックの限界に挑戦「単独のネタ、考え直しになったらどうしよう」

2022年5月5日(木)・5月6日(金)、5月7日(土)の三夜連続で、『百喜利 Season2 ~大喜利には正解がある~』の開催が決定いたしました。『百喜利』とは、大喜利の“正解”を追求する生配信イベント。ひとつのお題に100回答する過程で、正解を導き出します。

『百喜利 Season2』に挑むのは、第一夜「Yes!アキト&サツマカワRPG」、第二夜「ダウ 90000 蓮見翔&吉原怜那」、第三夜「ハリウッドザコシショウ」

左:蓮見 翔、右:吉原怜那

ダウ90000の蓮見さん&吉原さんに、百喜利を控えた今の気持ちを聞いてきました。

★『百喜利 Season2 ~大喜利には正解がある~』 詳細はコチラ

お笑いで「逃げてる」と思われたくない

———オファーがあったときはどう思いましたか?「ひとつのお題に100個回答を出す」ということで、ちょっと骨太な企画だと思いますが……

吉原 怜那(以下、吉原): これはなかなかストイックだな、って思いました。なんというか……まだ、結構フワフワしてるかもしれないです。

蓮見 翔(以下、蓮見): (オファーが)“吉原と”ってことだったんで、吉原は大喜利好きだから絶対やりたいだろうと思ったんですよ。俺云々で「やりません」になるより、(おぎやはぎ)矢作さんイズムみたいな感じで、吉原がやりたいと思うことは基本的にやらせてあげたいっていう……やりたかったよね?

吉原: ……嬉しいです。

蓮見: 良いんだよね(笑)? いや、ここ、俺がどうしてもやりたいからやる、みたいな感じになってたらあれだな(笑)。

吉原: なってないです(笑)。

蓮見: ただ、なんか「こういうの逃げたくないな」っていう。

吉原: そう! めちゃくちゃそう!

蓮見: 俺らの空気感的に「そういうのは避けて、得意なことだけやっていくんですね?」って思われたら嫌なんで(笑)。

吉原: そう。本当に、お笑いで「逃げてる」って思われたくないんですよ。

蓮見: (ダウ90000の)8人の中で、特にそう思う2人だよな。

吉原: そうですね。実際にやってみないと……回答搾り出すのがきついかどうかみたいなところも、あんまり想像ついてないかも。

蓮見: 俺は、大喜利自体そんなにやったことないんです。で、はっきりと苦手意識があるんで……だから修行の場だと思ってやろうと思います。やっぱり、一気にバーッとやるのが一番効率の良い修行だと思うので。最初と比べて最後は格段に面白くなっていたいですね(笑)。

———吉原さんは、大喜利経験はけっこう多いですか?

吉原: そうですね、ライブには何度か出させていただいて。大喜利は、何度か経験してます。

蓮見: けっこうやってるでしょ?

吉原: そうですね……ずっと“何度か”だと思ってやってきたけど、振り返ればけっこうやってるなという。

蓮見: バンバンやってるじゃない。

吉原: 意外と、そうですね。初めて大喜利ライブに呼んでいただいたのが、大学1年生の夏なんです。レッドブルつばささんが主催の「大喜利マジック」っていうライブで。やり方もなにも分からないまま呼んでいただいたので、そのときは本当になにもできなくて。

蓮見: 変な人生(笑)。大学1年の夏に大喜利と出会ったんだ。

吉原: そうなんです(笑)。で、難しいな、難しいな……と思いながらここまで来たというか。

蓮見: 僕は、経験値のある吉原に乗っかってやろうという気でいます。でも、普段やってることに近いのは「僕が書いて、吉原に読んでもらう」なんですよね。そのほうが面白いのかもとも思ってるんですよ。自分で回答するんじゃなくて「このお題なら吉原はこういうこと言いそうだな」のほうが、普段のコントの書き方と一緒なんで。だからふたりだったらなんとかなるかもと思って、俺は「やります」って言いました。

吉原: 蓮見さんは、芸人さんとはちょっと違うルートを通って回答出す感じがあるかもしれないですね。

蓮見: そうかもしれないね、最短ルートを分かってないから。なにもハマらない100答だったら最悪だな(笑)。なにかを掴んでからの100答にしてほしいかもしれないですね(笑)。「こうやって出せばいいんだ」って分かってからカウント始めてもらえたら……。

———そんなこと言ってられないと思います(笑)。

蓮見: 俺だけ昼くらいからはじめても良いかも(笑)。

吉原: “ボケ数”みたいなことで考えると、蓮見さんは得意なんじゃないかと思うんですよね。種類や数を量産する、みたいなことで言ったら、私なんかより全然やってるから。

蓮見: ネタを作るってなったら、1個のお題で7個は絶対にボケを出さないとやれないから(笑)。そう考えると、やってはいるのかな。でも、それをどう変換して自分の大喜利にすれば良いのかは全然分かってないんで。途中、本当に考え込んじゃう時間があるかもしれません(笑)。

ディープ過ぎる回答はお客さんに刺さらない

———大喜利経験の多い吉原さんと、普段はコントを作っている蓮見さん。それぞれ頭の使い方が違うので、楽しみですね。

蓮見: 長時間なので、どう最後まで戦うのかふたりとも見えてないと思うんですよ。僕は“一個目”を見つける作業で、吉原は”二個目、三個目……”と見つけていく時間になると思うんで……吉原の三個目と俺の一個目の相性が良かったら、めちゃくちゃ面白いんだろうなという感じですね。お題によって、得意不得意とかもあるんでしょ?

吉原: そうですね。お題との相性は、めちゃくちゃあります。考えやすい・考えにくいもそうですし、自分を出せる要素のあるお題だったら良いんですけど、世代的に知らないこととかもあって。

蓮見: 分かるわ~。

吉原: めちゃくちゃ焦ったのが、この間「なかやまきんに君が長渕剛に会ったとき」みたいなお題があって……

蓮見: むっず! 長渕剛さんもなかやまきんに君さんも、世代ではないですからね。

吉原: ジェネレーションギャップのある固有名詞が出たときって、戦い方が本当に難しくて。

蓮見: 刃牙(グラップラー刃牙)とかな。だって……いくつだっけ?

吉原: 21です。

蓮見: 「大喜る人たち」とかにバンバン出てるような方と10歳くらい違うから。無理だよね、10離れちゃうと。俺も男っぽいものをあんまり通ってきてないので、刃牙もそうだし、キン肉マンとかプロレスも分かんないし……。最近だと、ラップが多いけど一切聴かないし。知識のない固有名詞を使うお題が出ると、なにをしたら良いのか分かんないよね。

吉原: でも、ディープ過ぎる回答をしてもお客さんには伝わらないんですよ。例えば、前にホストに関するお題が出たんですよ。そのとき、「担当が……」っていう回答を出したんですけど、“担当”って私の中では浅い知識なんですよね。でもそれが、逆に“聞いてて気持ちいい”回答だったんだなって。

蓮見: あとひとつ不安なことがあって……これ、本番が5月頭じゃないですか。単独が5月末にあるんで、ちょうどネタを書いてて、自分の中で「面白い」と思ってるフレーズが脳内にいっぱい溜まってる時期なんですよ。途中であまりにも思いつかなかったら、それを全部出しちゃうかもしれない……それで単独のネタ考え直しになったらどうしようと思って(笑)。

※単独ライブ「10000」。5月24日(火)~29日(日)まで、渋谷・ユーロライブにて開催予定

吉原: 全然あると思います(笑)。そのときの脳内にけっこう引っ張られるから。

蓮見: そうだよね、怖い。なんか別のストックを用意していかないと、単独がペラペラになっちゃう(笑)。

———自分たちで100回答ではなく、電話で友だちに聞いたりもできるんですよ。

吉原: テレフォンだ。

蓮見: ミリオネアみたい(笑)。

———信頼できる大喜利友達はいますか?

蓮見・吉原: 警備員(ハチカイ)さん。

「警備員さん」で声が揃う2人

蓮見: あとメンバーが残り6人いるわけだから……多分あいつら、マジで、本当に「思いつかないです」とかで終わる可能性あるな(笑)。そこのガッツ無いから。

吉原: 確かに。しかもその場にいるわけでもないし。

———メンバーで、「実は大喜利強い」という方はいますか?

蓮見: 俺より園田(祥太)のほうが大喜利強いかなと思いますね。仲間内でやってたら超面白いです。でも、多分ここに出たら面白くないと思います(笑)。

吉原: 園田さんは、大喜利すごく好きだから。よく見てるし。

蓮見: 上原(佑太)も「大喜る人たち」全部見てますし。飯原(僚也)も大喜利面白いですね。……意外と、聞いたらなにか出てくるかもしれないです(笑)。

吉原: (飯原)僚也さんとか、たぶん脳内の言葉のストックは意外と……

蓮見: 変だよね。

吉原: けっこう独特で、面白いものがありそうな感じします。

ファンキー加藤に会える

———『百喜利』のコンセプトが「大喜利には正解がある」なんですが、これまで大喜利で正解したことありますか?

蓮見: 大喜利じゃなくコントなんですけど、一番気に入ってるのは……「同じクラスにして」と女子2人が先生に言うけど、「いや、お前らは同じクラスにできない」って言われるんです。その理由が「お前らしかピアノ弾けるやつがいないから」っていう。これはキレイだなと思ってます。でも逆に、キレイだからこそ何回もできない。ネタバレしちゃったら何度もやれるネタでは無いと思ったので、あまりにもキレイ過ぎてもコントは考えもんだなと思いました。

吉原: 正解かぁ……「それ正解なの?」ってなりそうですけど、「痴漢をしてライブに遅れてきた田野さんにひとこと」みたいなお題が出て、2秒で「最悪」って出して……そういうことかな。

※コントユニットConvaのメンバー。田野・警備員(ハチカイ)・吉原怜那(ダウ90000)の3名が所属

蓮見: それは“吉原が出さないといけない”回答だもんね。

吉原: あと、もじりみたいなお題って結構難しいんですよ。

蓮見: 「隣の芝生は青い」みたいなことを言ってください、みたいな。

吉原: これって、2~3個くらい回答のベクトルがあるじゃないですか。だからはめるのが難しいんですけど、「“ヤンキー母校に帰る”みたいにつまらないことを言ってください」というお題で「ファンキー加藤に会える」って出して……これはちょっと、正解だったかもしれないと思いました。

蓮見: 大正解じゃない?

吉原: ちょうど韻も踏めてて。正解だったかなと思います。

蓮見: たぶん吉原は真面目なんですよ。お笑いが好きすぎるから、自分の回答を「正解」って言うことへの照れがある。ほかにも本当はいっぱいあるんだろうけど(笑)。

———嫌な質問してすみません(笑)。

蓮見: でも、それがコンセプトなんですよね。

———そうですね。100個考えた回答の中から、最後にひとつ「正解」を選んでいただきます。

蓮見: それが警備員さんの回答にならないように……(笑)。

吉原: 全然ありえる。越せない可能性がある。

———ほかの出演者を知ったとき、どう思いましたか?

蓮見: びっくりしました。ハリウッドザコシショウさん、全部正解出して、20分くらいで終わるんじゃないですか(笑)?でも、出演者を知って逆に不安じゃなくなりました。ほかの二組がそんだけすごい方々なら、僕らが薄くても、最悪……全体の盛り上がりは絶対にあるだろうから。

吉原: そうですね、安心感みたいな。

蓮見: 3日間のうちの1日を僕らにしてもらった意味が、終わったときにちゃんとあったら良いですね。

吉原: ほかの出演者の方とカラーがかぶってないし。お二組が凄すぎるのもあるけど。

蓮見: 全然違うね。ほかの皆さんは、「1色」ではないですから。「マーブル」ですから(笑)。俺らは「キレイな青」やろうよ(笑)。

吉原: 透き通った青ね(笑)。

インタビュー:福田 駿
写真・文: 堀越 愛


<PROFILE|ダウ90000>

左:蓮見 翔
右:吉原 怜那

●公式Twitter:@daw90000

●ダウ90000 YouTube Twitter:@pandandconte

●公式YouTube:ダウ九萬

WLUCK CREATORS