コンビ歴10年・フレンチぶるが選んだ新しい芸人の道。他の誰でもない、この相方とともに行く【フレンチぶる インタビュー】

賞レースで栄光を掴み取れる芸人は、ほんのひと握り。ほとんどの芸人が夢破れ、来年を見据えて前を向き直す。中には解散を選ぶコンビもいるし、芸人自体を引退する人もいる。

結成10年のコンビ・フレンチぶるは、一度「引退」を選びかけた。きっかけは『M-1グランプリ2021』2回戦での敗退。ライブシーンを中心に活動していた彼らは、数ヶ月だけ表舞台から姿を消した。

ケイダッシュステージ所属・フレンチぶる(左:加瀬部 駿介、右:大西 翔)。出会いはワタナベコメディスクールの養成所(2011年入学・14期生)

……しかし、2022年3月1日。フレンチぶるは、「2年以内に登録者100万人に到達しなかったら芸人引退」を掲げてYouTubeチャンネルを新設。さらに同居まで始めてしまった。

引退危機から一転、新たな道を歩み始めた彼らにはどんな考えがあるのだろうか。人生に、“再出発”のタイミングはそうたくさん訪れない。転機の最中にいるフレンチぶるに話を聞くと、「芸人の中で最も仲が良いコンビ」と断言する程の固い絆と、決意が見えてきた。芸人の王道を外れ、あえてYouTubeに注力する二人の想いとは?

こんなに愛にあふれてる人、他にいない

———養成所時代は別のコンビを組んでいたそうですね。当時の印象は覚えていますか?

大西 翔(以下、大西): べーちゃん(加瀬部)は、養成所のライブでいつも1位を取ってた印象がありますね。当時組んでた相方も結構デカくて、“ヤンチャな二人”というか……野性爆弾さんのような破天荒な感じがあって、「むちゃくちゃするコンビだなぁ」と。どこでも主役で、大暴れしてました。僕は高校・大学の同級生とコンビを組んでたんで、べーちゃんとは普通のクラスメイトでしたね。

加瀬部 駿介(以下、加瀬部): 大西ちゃんは、みんなでどっか飲み行こうとか遊び行こうっていうときに、なぜかいない人でした(笑)。授業の合間の昼飯は一緒に食べたりするし、普通にみんなと仲良いんだけど、すぐに帰っちゃう印象で。僕はみんなを集めてキャンプに行ったり男女関係なく遊ぶんですけど、大西ちゃんはそこにいない。みんなと遊ぶようになったのは、コンビを組んでからだよね。僕が当たり前のように誘うから。

大西: そうそう。

加瀬部: 養成所を卒業後は、ワタナベエンターテインメントに所属しました。向こう(大西のコンビ)はシュッとしてて、僕らはバカみたいなコンビで。同時期くらいに解散して、僕から声かけたんですよ。

———なぜ大西さんを誘ったんですか?

加瀬部: 当時、大西ちゃんはブログを書いてたんです。そこに「今後どうしていきたいか」みたいなことが書いてあって、それが僕には無い考え方だったんですよ。すごく真面目で、理論的というか……僕は感情的にやっちゃったりするタイプなんで、「この人と組んでみたいな」と。今までいなかった人だなと思って。

大西: 初めて聞きました。

加瀬部: あ、ほんと? すごくクレバーというか……。だから「みんなと遊んでもしょうがない」という考え方で、帰ってたんですね。

大西: おいおいちょっと待て(笑)。良い話だったのに!

取材は二人が同居している自宅で実施

———元々は人と群れないタイプだった大西さんが、加瀬部さんに心を許したのはいつ頃だったんでしょう?

大西: 明確に心を許した瞬間みたいなのは無くて、雪崩式にですね。べーちゃんは、僕と本当に反対の人なんですよ。僕はずっと、“休日に同級生と遊ぶ”感覚を持たずに人生を送ってて。

———加瀬部さんは陽で、大西さんは陰みたいな?

大西: 僕も陽なんですけど、みんなで遊ぶ必要あるかな? と。

加瀬部: それ陽じゃねぇよ(笑)。

大西: 養成所の仲間も、授業のときだけ会えば良いかな~みたいな感じだったんです。でも、コンビ組んだら普通に誘ってくるから……俺も最初は「え?」って思ったけど、キャンプとか行ってみたら楽しくて、自然と。

———コンビを組んで、徐々に変わったんですね。

大西: そうですね。こんな人、これまで会ったことなかったんですよ。例えば、べーちゃんは花屋でバイトしてるんですけど、僕に花束くれたりするんです。それが誕生日とかなら分かるけど、なんでもない日に。「なんで?」って聞くと、「大西ちゃんにあげたかったから」って。そんな人いないじゃないですか(笑)。

———いないですね(笑)。

大西: 僕にくれるのは、相方だし、百歩譲って分かるんです。でも、ライブの楽屋に花束持ってきて「花束作ったから、誰か貰ってくれる人いないかな?」って。あげる人いないのに持ってきて、楽屋をさまようという(笑)。そんな人、芸人になってどころか、生まれてから見たことない(笑)。こんなに愛あふれてる人、いないですよ。

取材の日も、加瀬部さんお手製の花束をプレゼントしていただいた

———加瀬部さんの人柄もあって、大西さんは心を許せたんですね。

大西: 同級生と組んでたコンビは、半年で解散してるんですよ。僕から誘ったのに(笑)。

———ドライですね。

大西: よく言われます。一つのことや人にこだわることが、それまでは絶対に無かったんです。だから、べーちゃんとずっと組んでるのが自分でも不思議ですね。お互い「ん?」って思う瞬間があったときに、ちゃんと言い合ってこの関係ができあがってる感じですね。

加瀬部: 「(一方的に)お前〇〇だろ」とかではなく、「大西ちゃん、あれちょっと嫌かも。こうしてくれたら嬉しいな」とか……。そういうやりとりは他のコンビよりもあるかもしれないですね。

大西: 最初からピタッとハマっていたわけではなく、そういうことを繰り返して、今がある感じがします。

———“うまくいくカップルの秘訣”みたいな会話ですね。

大西: ほんとにそう思います(笑)。

加瀬部: ネタをやってると、コンビでぶつかることは当たり前なんですよ。「こうしてほしい」の伝え方を、お互い気を付けてるのかもしれないですね。

完全に、すべてさらけ出してやってみない?

———2021年秋に解散危機があったそうですね。なにが引き金になったんでしょうか?

大西: 僕が言い出しました。解散というより「僕が引退しよう」と思っていたんです。僕らなりに10年頑張ってきて、例えば『内さまライブ(新人内さまライブ チャンピオン大会)』(2013年12月)で初代チャンピオンになったり、『新しい波24』のレギュラーになったり、『オールナイトニッポンR』だったり、ちょこちょこ結果が出ることもあって。でも、そこからグンと上がることが無くて。

紆余曲折やってきて、2~3年前から漫才にシフトしたんです。それまではコントをやってたんですけど、べーちゃんの人間性が面白いので、それを出した方が良いんじゃないかと。で、手ごたえを感じ始めて「いけるぞ」と思えたのが去年だったんですよ。でもフタを開けてみたら、『M-1』2回戦で敗退。10年目で、さらに個人的なことを言うと僕は30歳になって……これはキツイかも、と。ただ、べーちゃんのことを僕は面白いと思ってるし、この人が売れないのはおかしい。だから、自分は辞めてべーちゃんには別の道を模索してもらった方が良いんじゃないかと考えたんです。

※『フレンチぶるのオールナイトニッポンR2017年3月25日放送。三四郎がパーソナリティを務める『オールナイトニッポン初笑いスペシャル』に出演し、一番ハネたご褒美として単発で番組化された

———他の人と組むか、ピンでやるのかということですね。『M-1』2回戦に落ちる前から、「これがダメだったら辞めよう」みたいな想いはあったんでしょうか? 

大西: ダメだったらどうこうというより、「いける」と思っちゃってたんです。それなのに、こんなにダメなのかと。辞めたいなんて少しも思ってなかったんですけど、いざ結果を見たときに「次はこうしていこう」みたいな話ができない自分がいて。それで、「ちょっと考えさせて」と。

———加瀬部さんは、そのときどう思ったんですか?

加瀬部: 「おー、マジか」という感じですね。2回戦の結果が出てすぐ、電話で「残念だな」という話をしたんですよ。僕なりに「もっとこうしたほうが良かったかな」とか言っても、大西ちゃんの反応が明らかに今までと違って。大丈夫かな? と思ってたら、LINEで「考えさせてほしい」と。

芸人やってると、30~31歳くらいって、“くる”時期なんです。辞めるなら今かな、という。僕はもう34なんで「売れるしかない」という感じなんですけど、大西ちゃんが食らってる気持ちは分かるので、「じゃあ1週間考えて」と。今思えば、あの時期はデカかったですね。それが無ければ、今も『M-1』に向けてネタ書いてたと思うんで。大西ちゃんが言ってくれて、良かったです。

———それで、1週間後にあらためて話し合いをしたんですね。

大西: いつもネタ合わせしてるサイゼで、「やっぱりしんどいから、俺は辞めようと思う」と伝えて。そしたら、「大西ちゃんが辞めるなら俺も辞めるよ」と返ってきたんですよ。でも、それは僕の本意じゃなくて……。

加瀬部の思いがけない返答に、「そういうリアクションなんだ⁉」と驚いたという大西

———加瀬部さんはそのとき、大西さんと解散して別の道を選ぶ選択肢は無かったんですか?

加瀬部: 無かったですね。やっぱり大西ちゃんとやりたいと思ってたので。10年一緒に過ごして、大西ちゃんには僕には無い考え方があると分かってたし、日常でも僕にダメなところがあれば注意してくれたりして……なんというか、組む前の僕と、組んでからの僕は全然違うんですよ。人としての価値がめちゃくちゃ上がったと思うんです。それには大西ちゃんの存在が本当に大きくて。だから、誰かと組み直して売れるということは無いと思ったんです。違う人とうまくいくなら、絶対大西ちゃんとうまくいくだろうし。だから、大西ちゃんが辞めるなら俺も、と。

———「大西さんが辞めるなら自分も」という話が出て、そこから「やっぱり二人で続けよう」という結論に至るまではどんなことがあったんですか?

加瀬部: まず、会う回数を減らしました。それまではライブが無くても毎日のようにネタ合わせしてたんですけど、元々決まっていたライブに出るだけにしました。その時期に先輩・同期・後輩とかいろんな人に相談したんですけど、みんな「絶対に辞めないほうが良いと思うよ」と言ってくれて。「お前は辞めるな」ではなく、「二人で続けたほうが良い」って言ってくれて、やっぱそうだよなぁと。

この時期いろいろと考えている中で、「二人で喋ってるときの感じを出していけないかな」と思ったんです。漫才中に「なに言ってんだよ!」みたいなツッコミされるけど、普段は絶対に言われないしな……と。それで、YouTubeやってみても良いのかなという想いが芽生え始めたんです。

———そうなんですね。そして、また話し合いをして。

加瀬部: 久しぶりに二人でメシに行って、「(普段の二人を出すことに)ネタより力を入れても良いかもと思ってる」と言ったら、大西ちゃんも「まったく同じこと思ってた」と。大西ちゃんって明るいヤツですけどドライで、どこかおかしなところがあるし、僕も“愛の人”みたいなキャラですけど悪い部分もあるし……そういうのを完全に出すなら、ネタじゃなくYouTubeじゃない? と。「完全にすべてをさらけ出してやってみない?」と言われて、面白そうだ、じゃあ一緒に住むか! という感じですね。

大西: 僕的には、「俺も辞める」と言われてからは“べーちゃんを辞めさせないための素材集め”をしてた感じでした(笑)。つまり、僕が続けるための根拠を探す時間ですね。僕もいろんな人に「辞めない方が良い」と言われたし、「まだやってないことあるんじゃない?」とも言われて。

確かに、それまでは僕ら全然発信してなかったんです。SNSを頑張るより、ネタで結果を出せば誰かが見つけてくれると思っちゃってた部分があるんですよ。素のべーちゃんが面白いのに、舞台に出るときは“売れるためのキャラ”みたいなのを固めちゃってたし。だから全部やり切って、それでも無理なら辞めようと思いました。でも、一緒に住むという発想は無かったです(笑)。あと、マネージャーに引退の話をしたときも「意見は尊重するけど、辞めないでほしい」と言ってくれて。それも「辞めない」ほうに後押ししてくれましたね。

取材に同席したマネージャーには、「肩たたき券」が贈られた。「本来であれば、芸人がネタをやらないことは“辞める”とか“解散”に繋がると思うんです。解散せずに活動できるやり方があればと思っていたので、YouTubeを見付けられたことは救いでした」(島田マネージャー)

「二人の関係性を見せる」ことに重点を置く1年に

———YouTubeを始めるにあたり、「2年で登録者数100万人」という大きな目標を立てましたね。メディアで人気の芸人さんでも100万登録まで行っている方はごく一部です。なぜ、こんなに大きな目標を立てたんでしょうか?

加瀬部: 僕らがこの世界に入ったのって、みんなに「キャー!」って言われたいからなんですよ。YouTubeやるなら、登録者10万人くらいいれば食えるかもしれない。でも、俺らは「食う」ためにやるんじゃない。やっぱり、キャーキャー言われたい……という話になって。それなら100万くらいの数字じゃないとダメじゃない? と。

大西: 食えるようになりたいんなら、それこそ辞めちゃったほうが早いんで。なんというか、そこにいるだけで価値のある人たちになりたいんです。行っただけで喜んでもらえたり、元気や勇気を与えられるような。そうなるためには、100万人は必要じゃないかと。

———とはいえ、「芸人=ネタ」みたいなイメージはやっぱり強いと思うんです。今年は賞レースには出ないんでしょうか?

大西: 今年は出ないんですけど、やっぱりネタはやっていきたいですね。

加瀬部: お客さんの前に立つのが好きなので。でも今は(賞レースや舞台用の)ネタを作るより、YouTubeドラマを作ったり、その過程を見てもらったりしたいですね。そういう積み重ねがあったうえで、1年後にまたネタに向き合えるかなと。

加瀬部発案で恋愛ドラマ「私はいたいだけ 彼はしたいだけ」を制作

大西: 普段の二人の感じを出せるようになってきたんで、「これをネタでできたらめっちゃ楽しいだろうな」とと思います。

———若手芸人はたくさんライブに出るみたいな風潮がありますけど、そうではなく、今は二人の関係性を見せることに重点を置くんですね。

大西: 僕らはこの感じ(コンビ仲が良い)が普通だと思ってましたけど、この関係性って他になかなかいないんですよね。ライブ中だけじゃなく、ライブの前後も服を見に行ったりブラブラしたりしてたんですけど、それは“一緒にいたら楽しいから”なんです。これってほかの芸人から見るとちょっと異常らしくて……知らなかったよね(笑)。

加瀬部: 知らなかったね。

大西: ちょこちょこ「変だ」とは言われてたんですけど、「またまた~」って感じで返してたんです。僕らも変だと思ってないからエピソードトークにもしないですし。だから、これを面白がられることにびっくりしましたね。

10年かけて育まれた、ほかのコンビではあり得ない距離感

———コンビ同士の仲がとても良いことは“普通”ではないと、周りから言われてはいたんですね。

加瀬部: 味の好みも分かるから、例えば餃子があったら「大西ちゃん、酢とコショウだけで良いんだよね」とか「これ美味いよ!」ってシェアしたり……それを見てる先輩から、「お前ら気持ち悪!」って言われたり(笑)。

大西: あと、映画とかディズニーとかに行くとき誰かを誘うとするじゃないですか。そいつは大人数で行くと思ってたのに、来てみたら俺らしかいない。それで「なんでコンビと俺で行かないといけないんだよ!」とか言われたり(笑)。別に、楽しいから良いじゃんって。

加瀬部: 仕事の後は「メシどこ行く?」とか普通だし。

大西: 昔はべーちゃんがバイク乗ってたんで、移動は全部ニケツしてたね(笑)。

———相方であり、親友であり、家族でもあり、恋人みたいでもあり……不思議ですね。

大西: YouTube始めたての頃は、「加瀬部さんが彼女みたい」とか言われました(笑)。カップル感が強いのか? と思ってたんですけど、べーちゃんがハンバーグ作ってくれたとき、「形が崩れたほうを自分のにして、大西ちゃんにはキレイにできたほうを食べさせたいって思うようになってるんだよね」とか言われて……最近は、お母さんみたい(笑)。

加瀬部: 女性ってそういうのありません? 相手に良いもん食わせたい、みたいな。

大西: 無償の愛じゃん。

加瀬部: 母性みたいなものがね、あんのよ。

大西: あんのよじゃなくて(笑)。

YouTubeをきっかけに、応援してくれる人の層も広がった。地方のファンから届いた贈り物に喜ぶ二人

———YouTubeを始めるとか、同居するとか……すごく大きなチャレンジでもありますけど、お二人を見ていると「納まるところに納まった」感じもありますね。

加瀬部: そう言われてみたら、確かにそうかもしれないですね。まぁ、100万人って数は怖いっちゃ怖いですけどね。でも最近、けっこう自信出てきました。

大西: 絶対に大丈夫だと思う。

加瀬部: 開始当初より、お互いに掴んできた部分もあって……このままやり続けたら、この二人なら絶対にいけるなって。

奇跡のタイミングで『三四郎ann0』出演

———YouTubeが始まる前、『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』(2022年1月14日放送)に出演されましたね。

※1月7日放送で話題に上がり、翌週に加瀬部のみスタジオ出演した(大西は送り迎えと見学)

大西: あれ、すごいタイミングだったよな。YouTubeとか同居の準備をして「これから頑張っていこう」くらいの時期で。(1月8日の)朝5時、バイト行く前に「Twitter見てみろ!」と……トレンドに「フレンチぶる」が上がってて。

加瀬部: リスナーたちが「誰だ?」って(笑)。でも、収録はちょっと怖かったですね。

大西: そうだよね。僕らはお笑いの現場からちょっと離れてたしね。

加瀬部: どういうスタンスで行くかとか、二人で話したよね。作戦は全部崩れましたけど(笑)。

大西: 三四郎さんの手のひらの上で転がされてる状態(笑)。

『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』出演の舞台裏

———反響はありましたか?

大西: めちゃくちゃすごかった。

加瀬部: 今まで出たメディアのなによりも、一番すごかったと思います。

大西: 三四郎さんのリスナーさんでYouTubeを応援してくださってる方もいますし、めちゃくちゃありがたいです。しかも、僕らが単発で番組やらせてもらったときに担当してくれたスタッフさんが、収録にいたんです。それで「恩返ししたい」って気持ちがより強くなりましたね。

「恩を返す」2年に

———3月から同居をはじめて、新たに知った相方の一面はありますか?

大西: ……うるさいです、すごく(笑)。だって、相方が朝ドラ観て興奮してる声で朝起こされるんですよ(笑)。気持ちを全部言葉に出すんです。今までは会うのが外だったんで、“オン”の状態だからそうなのかと思ってたけど、家でもこうなのかと。衝撃でした。あと、まったりしてることが無くて、常になにかしてます。コロコロで掃除してたり、キッチンでなにかやってたり、筋トレに行ったり……

加瀬部: 僕は、大西ちゃんってなんにもできないんだってことを知りました(笑)。ドリップコーヒーを淹れられないとか、玉ねぎの剥き方分からないとか……本当になにもできない人なんだと。あと、僕のことをうるさいって言いますけど、大西ちゃんは声のボリュームがデカい。木造なのにな~と思います(笑)。

加瀬部のこだわりにより、永遠に完成しない庭

———現在の登録者数が500名程(2022年5月時点)なので、次は1,000人が目標かと思います。いつまでに達成したいという目標は立てていますか?

大西: いつまでという話はしてないです。逆に決めない方が良いかなと思って。僕はこの10年、ずっと「ここでこうして、こうなって……」と考えながらやってきたけど、良いときも悪いときもそれ通りに行くことはなかったので。

———目の前のことを頑張り続けた先に、1,000人や100万人があるという感じですね。

加瀬部: 今年中に10万人くらいは行ってたいな、とは思いますけどね。今は仲間に出演してもらったり、助けてもらってます。

人気YouTuber『プリッとChannel』のしょうちゃんが出演。しょうちゃんは元芸人で、かつては「コスモスライダー」としてケイダッシュステージに所属していた

———少し先の話になりますが、登録者100万人を達成した後にはどんな未来を描いているんでしょうか?

加瀬部: 二人でラジオをやるとか、YouTube以外のメディアに出たいですね。僕らはテレビが大好きなんで、芸人として呼んでもらえるようになりたい。いつかは二人で番組を持って、みんなでワイワイしたいですね。

大西: 「100万人行ったらこれをしたい」というより、その過程でやれることが増えていくんじゃないかと思ってます。べーちゃんがよく言うんですけど、「仲間が増えていく」わけじゃないですか。サプライズでフラッシュモブに参加するとか、観てくれてる人たちと一緒になにかをやっていけたらと思ってますね。僕らは「テッペンを取りたい」というより、みんなの中心でワイワイしていたいんです。

大西いわく、加瀬部とは「できることとできないところが凹と凸」。加瀬部は家事全般、大西はYouTubeの動画編集を担当

———動画を観ている人やこの記事を読んだ方に、伝えたいメッセージはありますか?

大西: 僕は、べーちゃんはもちろん、周りの人や見てくれる皆さんのおかげで、今の自分があると思ってます。あのとき辞めていたら無かった状況に今いるので、本当に感謝してます。この2年で恩返しをします。今までは「見返そう」と思ってやってきたけど、「恩を返す」ための2年を僕は過ごします!

加瀬部: 僕らは、この1年ネタからは離れます。でも、それは逃げじゃないんです。二人で話し合って話し合って決めた覚悟なので、皆さんに納得してもらえるようにYouTubeを頑張ります。是非観てほしいです!

取材(文・写真)、編集:堀越 愛


<フレンチぶる|PROFILE>

左:加瀬部 駿介
右:大西 翔

★公式YouTube:べーちゃん大西ちゃん同棲日記
★TikTok:@frenchibull20240301
★公式プロフィール:https://www.kdashstage.jp/profile/archives/10


~コンビ間他己紹介~

加瀬部 駿介 とは?
とにかく感情にまっすぐな人。ムカついたら怒るし、感動したら泣くし、楽しいときは笑います。それが良いところでもあり、悪いところでもあります。まっすぐ過ぎて間違えちゃうこともあるけど、ピュアだから、指摘したら素直に「ごめん」とか「言いづらいことなのに言ってくれてありがとう」まで言える素敵な人。愛にあふれた男だけど、その分皆さんからの愛も欲しがります(笑)。だから是非、愛を注いであげてください。(by 大西)

大西 翔 とは?
とにかく明るい人です。家に帰って来たときの「ただいま」がすごく明るい。でも、オフの大西ちゃんはけっこう閉じていて暗いこともあります。そういう大西ちゃんを見れたら、初めて「大西ちゃんの友達」って言えるんじゃないかな。多分、みんな大西ちゃんのことを好きになります。それから、同居を始めてから“家に人を呼ぶ”ことが好きになりました。これからの大西ちゃんを見ていてください。(by 加瀬部)

PERFORMERS

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