2023年6月4日(日)、草月ホールで大喜利ライブ『回答者』が開催された。
本ライブは公式Twitterが鍵アカ(現在は公開)で、本番前に出された情報は「メインの出演者5名」「草月ホールで大喜利する」ことのみ。お客さんだけでなく出演者すら詳細を知らされないまま本番に突入するという、謎に包まれたライブであった。
出演者、全員容疑者!?
事前に告知されていた出演者は、Aマッソ・加納、こたけ正義感、寺田寛明、男性ブランコ・平井、ぼく脳の5名。
なにも分かっていない5人がとりあえず自己紹介を終えたところで、いきなりお題が。
「答えても大丈夫なのか?」「答えたら射殺されるのでは?」と疑心暗鬼に襲われる5人。一番芸歴が若いということで、こたけ正義感が生贄に差し出される。
恐る恐る回答を重ねる5人。すると……
オツハタいわく、つい先日誘拐事件が起きた。捜査の結果「この劇場に犯人が紛れ込んでいる」ことが分かり、事情聴取に協力してほしいという。
いきなりの事情聴取。あきらかに怪しい。しかし、こっちには現役弁護士がいる!
「ここで断ったら不利になる」と反論する警察官・オツハタ。
どうやら、5人は知らぬ間に誘拐事件の容疑者になっていたようだ。ここに、近辺で聞き込み捜査をしていた刑事課の村田が合流。
聞き込み捜査をしていた村田が辿り着いた“犯人の特徴”は、「面白くない」こと。村田は、「この中に犯人がいる」と確信しているようだ。「とにかく面白くないヤツ」をあぶりだすために、警察から5人に「質問」が行われることに。
5人が回答を重ね、オツハタが出した結論は……
「おまえら全員、面白かった」(オツハタ)。
どうやら、5人の容疑は晴れたようだ。しかし、誘拐事件の捜査は振り出しに戻ってしまった……
語り部いわく、「さかのぼること1週間前、日本のある場所でとある壮大な研究」が行われていたという。
はたして、壮大な研究とは……?
“面白”を集めるサイコ博士の研究とは
場面は、とある研究所へ。
博士は、なにやら怪しい研究をしているようだ。それは「この国の面白人間のセンスを融合させる」というもの。そうすれば「どんな人も笑わせることができる、最強の遺伝子を持った人間が完成する」と語る。
博士は、赤ちゃんの“面白感性”を高めるために5人を利用しようとしているようだ。
5人の面白い回答を赤ちゃんに浴びせるべく、博士から出題された最初の研究テーマは「世間があっと驚く、まだ誰にも知られていない研究結果を発表してください」。
5人がたくさんの”面白”を赤ちゃんに浴びせると、博士は満足げに言う。「これでようやく、あいつの笑顔が見れる……」
ここで再び、語り部が登場。
語り部いわく「博士の研究は成功した」。最強の遺伝子を持った人間をつくり出すため、赤ん坊に爆笑回答を聞かせ続ける博士。彼はなぜ、そんな研究を行っていたのだろうか……?
笑うことのできない病
場面は変わり、ここはとあるお金持ち夫婦の屋敷。彼らは、問題を抱えているという。それは、「妻の紅多がまったく笑わなくなってしまった」こと。
妻の紅多は、「このまま死んだら地獄に落ちてしまう」と嘆く。なんとしても、病を治し笑えるようにしなくてはならない。
5人に託されたのは、またしても「面白い回答をする」こと。妻の病気を治すため、面白いことをたくさん言わねばならない!
最初のお題は「ラグジュアリー戦隊『デラックス』の特徴を教えてください」。
妻の病気が治り、一件落着!
かと思いきや、最後に気になるひとことを残した旦那。「あとは、あの事件が解決してくれるといいのだけれど……」。
笑顔を取り戻すことができた妻。夫婦の問題は解決したかに見えたが「あの事件」とは?そもそも、妻が笑わなくなってしまった原因とは……?謎は深まるばかりである。
誘拐事件・謎の博士・お金持ち夫婦。繋がりのなさそうな3つのストーリーの、点と点が繋がっていく……!?
事件解決?
ここで、冒頭に登場した二人の警察官が再登場。なんと「誘拐事件の犯人を捕まえることができた」という。
実は、誘拐されたのはこの夫婦の子どもだったという。事件の背景は、夫婦と博士の高校時代にさかのぼる。
紅多に恋心を抱いていたが、山田に敗れた博士。失意の底に落ちたが、「紅多が幸せでいてくれるなら」それでいいと思っていた。
だが、ふたを開けてみたら紅多は幸せではなかった。それを知った博士は、子どもを連れ去ったのだ。世界一の面白人間に育て上げ、紅多を笑わせるために……。
計画を中断させられた博士。どんなに紅多を想った行動だったとしても、犯罪は犯罪である。現場の空気も、どんよりと重くなる……
この状況を笑いに変えるべく出されたお題は、こちら。
5人の協力により、事件は円満に(?)解決。ここでオツハタが、もっとも捜査に協力してくれた人を表彰したいという。
文, 編集, 撮影:堀越 愛