2023.08.03
Aマッソ第10回単独ライブ『ヘンリー・ヒャッハーの帽子はどこだ?』密着レポート&インタビュー「本当の意味でAマッソが全国区になるためのライブ」
Aマッソによる10回目の単独ライブ『ヘンリー・ヒャッハーの帽子はどこだ?』。東京、愛知、大阪、福岡をまわる全国11公演が本日終了した(7月29日(土)から配信チケットの販売が開始されている。視聴期間は8月13日(日)まで)。
遡って7月6日(木)。編集部は有楽町の劇場I’M A SHOWで行われた初日公演日に密着した。リハーサルから終演後までを捉えた写真と、終演後のAマッソに敢行したショートインタビューと共に当日を振り返りたい。
ーーー初めてAマッソさんの単独を見たのは「快速 たくや先輩のドンッ!」なんです。そこから7年くらい経って今、当時と比べると劇場のキャパは何倍も大きくなっています。Aマッソさんの中で単独ライブのやり方・あり方は変わってきましたか?
加納: 当時はパッションだけでやってた感じはしますね。(新宿)バティオスでやってた時代は。自分らの中で「この設定がおもろいねん」ってなったらスコーンと突き進むだけやったというか。
村上: なにも保険をかけずにネタをやってた。
加納: あと普通に尺が短かったと思います。今みたいに長いネタはやってなかった。
村上: 4分ネタが何本かと、あとは幕間の映像みたいな。
加納: 今は芝居自体が長くなってますね。
ーーー当時と今で、変わらないものは。
加納: ギリギリなことですね(笑)。毎回ギッリギリのスケジュール。
村上: 今日も朝方に、直された漫才の台本もらいました。マジでギリギリ。
加納: あのライブの日も当日バティオスで寝て、そのままやってたんちゃうかな。
ーーーギリギリなこと。今ももちろんパッションもありながら。
村上: パッションだけじゃどうにもならんくらいギリギリやけど、今は助けてくれる人が増えたからなんとかなってる気がします。
終演後インタビューより
17:00 リハーサルがはじまる
リハーサル開始。客席に観客はいない。そんな中、当然のようにAマッソは本番同様の声量でコントや漫才を進め、音響や照明のきっかけを確認する。特にきっかけのないものは出捌けのみに留められ、きっかけの複雑なものは本番同様の熱量でコントが披露されることもある。客席に点在するスタッフから笑い声が漏れる。
18:30 開場
初日公演I’M A SHOW開場。待ち構えていた観客が劇場に入る。400を超える観客席はもちろん満席。舞台上には明朝体の文字がランダムにかけられ、その仕掛けに期待が高まる。
19:00 開演
最初のジングル「スーハー(Mean Machine)」が流れて一本目のコントがはじまる。明転。
以下公演の一部を写真で振り返る。加納、村上が歌うOP・ED、転換時に流れるジングルにもこだわりが感じられるのでぜひ注目してほしい。
Title『私の青い太陽』 (「New Day Rising」 Subway Daydream)
Title『してない』(「you n me」Chill Beans.)
Title『インディーズ』(「CHELSEA GIRL’S ESCAPE」SEAPOOL)
Title『5』(「夕方のサマーランド」UlulU)
手応えを感じた漫才
(注記:公演を重ねる中でライブ構成が変更されています。本記事の内容と配信映像の内容は異なりますのでご注意ください。配信映像ではストーリーのある2本立ての漫才が披露されています)
初日公演の漫才はこれまでAマッソが披露してきたものとは明らかに趣が異なっていた。台本の妙で見せる漫才、というよりは圧倒的な主役・村上がその瞬間感じたまま縦横無尽に動き回り、しゃべり倒す漫才。すべての動作が即興に感じられ、それでいて加納との掛け合いがピッタリとはまっていた。
ーーー漫才、本当に面白かったです。加納: うれしいです。書いてるときに思ったんですよ。意外とずっと(漫才から)降りっぱなしのスタイルで丸々一本漫才やってる女コンビおらんなって。やすともさんとかも似てるけどちょっとまた違うじゃないですか。
ーーー村上さんがいい意味で本当におかしな人で、そこが唯一無二だと思いました。
加納: (笑)そうですよね。結構挑戦的というか、今までAマッソがやってきた漫才とは真逆のものができているのかもしれない。
村上: その日その日で全然違う漫才になるかもしれないです。気持ちで、ほんまに思ってることをしゃべってるところもあるんで。
加納: そこが難しいところですよね。台本がほとんどないぶん、慣れちゃったらあんまり楽しくならないかもしれない。
ーーーお客さんがってことですかね?
加納: どっちもですね。村上もお客さんも。村上が地でずっと怒り続けなあかんから、何回も見てもらえるようなネタじゃないのかも。
村上: 配信の日にはどんな感じになってるんやろ。
ーーーすごくわくわくしました。
村上: ありがとうございます。
終演後インタビューより
初日公演終了
7本のネタを終えてエンディング。コント6本、漫才1本、途中には驚きのビッグアーティストによる曲提供もあり、さまざまな部分で“Aマッソ”の拡がりが感じられた。
ーーーこの記事がアップされるのは配信が開始されてからになるのですが、ご覧になる人に向けてひと言お願いできますでしょうか。
加納: 初日に比べたらだいぶキュッとまとまってると思います。よかったですね!
ーーーエンディングでもネタを“ぶつけた”とおっしゃっていたのが印象的でしたが、毎回単独ライブ初日はそうしたイメージで臨まれているのでしょうか??
加納: そうですね、初日はとりあえずやりたいことを全部詰め込んでみて。
村上: ええい!って一回思い切り投げてみる感じ。
加納: ライブの時間も結局2時間になっちゃった。1時間半のつもりやったんでまだちょっと無駄が多いかもしれない。ここから千秋楽に向けて切っていく作業になりますね。
ーーーAマッソさんの単独ライブは毎回こんな感じなんですか?
加納: でも今年は特に長かったかもしれないですね。
ーーーなんでなんでしょう?
加納: 最近はデカいライブを年数回ボンボンって打つスタイルになってて、シンプルな寄席とかに出てないからっていうのもあるかも。
村上: ライブ欲で、寄席でやってたような細かい小ボケを入れすぎてる。
加納: いっぱい入れすぎた(笑)。
村上: ヘラヘラしちゃった。
ーーーAマッソさんの中で、今年の単独ライブはどういう位置づけなんでしょうか。
加納: 本当の意味でAマッソが全国区になるためのライブやと思ってます。公演数もちょっと背伸びしてるぐらいの数なんで、来年もう一回りでかくするための今年っていう感じですね。
終演後インタビューより
すぐに反省会がはじまる
公演終了後、客席が再び空になったと思えばすぐにスタッフを含めた反省会がはじまった。残る10公演に向けて、もしかするとそれは来年の単独ライブに向けても、Aマッソは早くも動き出していた。
※インタビュー内容・写真は7月6日(木)の公演のものです。配信映像のものとは異なるものもございます。ご了承くださいませ。
★配信チケット:https://l-tike.com/play/mevent/?mid=690221
取材(文・編集)フクダ
写真 柏井彰太
INFORMATION
Aマッソ第10回単独ライブ『ヘンリー・ヒャッハーの帽子はどこだ?』
★アーカイブ期間
07/29 (土) 19:00 – 08/13 (日) 23:59