2023.12.15
あのコントで福井が女性役⁉︎ 7分のコントが16分尺に⁉︎ 3人の演出家によってGAGのコントが生まれ変わる【GAG企画室「×魅力人」ライブレポート】
2023年12月14日(木)、渋谷ユーロライブにて『GAG企画室「×魅力人」』が開催された。
これは気鋭の演出家がGAGの既存のコントに新たな演出を加えた実験的なライブ。
演出は、「贅沢貧乏」の山田由梨、演劇団体「桃尻犬」の野田慈伸、「劇団アンパサンド」の安藤奎がそれぞれ担当。身体性や空気感、発話の機微など、それぞれの演出家・劇団の特徴がGAGの3本のコントに練りこまれた。
1本目のSJによる超ハイカロリーな熱演、2本目の“福井のコント人生トップクラス”の出オチ、3本目にひろゆきが見せた覚悟を決めた表情。ハイライトばかりの本イベントの様子を写真とともに振り返りたい。
★『GAG企画室「×魅力人」』アーカイブ配信チケットはコチラから
※販売期間:2023年12月16日(土)12:00まで/配信期間:同日18:30まで
最初のコントで「殻を破る」(山田由梨×「お花見」)
GAGのコント「お花見」に演出を加えたのは「贅沢貧乏」の山田由梨。GAG大ファンの友人からGAGのお笑い資料を膨大に送ってもらったとのことで、山田はGAGのトークの面白さに注目したという。きっちりとした台詞回しを一度手放して、GAGのトークさながらのアドリブを許す空気感をコントにする手法をとった。
本コントのメインキャラクター、SJの超ハイカロリーな演技にも注目。
「配役を大胆に変更した」2つ目のコント(野田慈伸×「家庭教師」)
ふたつ目のコントは「家庭教師」。演出を加えたのは演劇団体「桃尻犬」の野田慈伸。
GAGのコントではある種定番となっている「女装したひろゆきとSJとの掛け合い」それ自体を“破壊”したのが野田慈伸だった。
なんとこのコントで女性役を務めたのは福井。
“ヒゲ残し”ではあるが、本気の女性役・福井という配役はGAGファンにとってはたまらないもので、最後まで拍手笑いが続くコントになった。
最後のコントは「脚本も作り変える」(安藤奎×「雪町先輩」)
ラストコントはあまりにも衝撃的だった。演出したのは「劇団アンパサンド」の安藤奎。「雪町先輩」の脚本を(福井いわく)9割5分改編して全く新しい世界を作り上げた。
奇想天外なコント設定はぜひ配信を観て確認してほしいが、もともと7分尺のコントが、16分越えの超ロングコントに様がわりしていたことはここに記しておきたい。
演出家とのツーショットトーク
3つのコントを終えると、それぞれのコントを担当した演出家たちが一人ずつ登壇。GAGと稽古の風景を振り返った。
山田×「お花見」の演技指導は8割5分がSJへのものだったという。トークライブの自然な雰囲気をいかにコントに入れるのか、その試行錯誤の結末は本編で確認してほしい。
野田との稽古では男性だけの時間になることもあったらしく、その度に演出のブレーキが効かなくなりそうになったという。
GAGのオリジナルコント「雪町先輩」の動画を最初に見た時にはすでに“あの”コントの設定が頭に浮かんだという。稽古ではセリフの言い方一つひとつにまで指導が入っていたらしく、本番では正しく演技ができていたのか、福井は演出家相手に答え合わせをしていた。
『ダサ坊トーク』でも本編を振り返る
終演後にはGAGのトークライブ『ダサ坊トーク』も開催された。『GAG企画室「×魅力人」』直後の興奮冷めやらぬ中、それぞれの印象に残っているシーンやビッグ反省点を語っていた。
ユーロライブという会場の妙もあり、演劇とコントの掛け算、化学反応を非常に有意義な手法で発表しているコントライブだった。GAGのコントがさまざまなベクトルで味付けされることによって、GAGのプレイヤーとして魅力も再確認できた。
写真にはないが、オープニングや幕間・コント終わりには『ハイパーハードボイルドグルメリポート』上出遼平がGAG福井に密着したロケ映像が挟み込まれた。上出によるシンプルな質問を、笑いを交えながら真摯な言葉で打ち返す福井のドキュメンタリーもまた必見である。
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※販売期間:2023年12月16日(土)12:00まで/配信期間:同日18:30まで