【中田カウス・アインシュタイン・カゲヤマ・さや香・ケビンス・エバース・ナイチンゲールダンス・金魚番長が登壇!】「渋谷よしもと漫才劇場 オープニングプレミアム公演」&取材会を全文レポ!

先月3月30日(日)に閉館したヨシモト∞ホールが生まれ変わり、本日4月5日(土)に渋谷よしもと漫才劇場がオープンした。

渋谷よしもと漫才劇場は、よしもと漫才劇場(大阪)、森ノ宮よしもと漫才劇場(大阪)、神保町よしもと漫才劇場(東京)に続き、「よしもと漫才劇場」として4館目の劇場。

ここでは、オープン初日に行なわれた「渋谷よしもと漫才劇場 オープニングプレミアム公演」の様子を写真で紹介。さらに、取材会の模様を全文レポートする。

オープニングプレミアム公演を写真でプレイバック

オープンを迎えた4月5日(土)11時から、「渋谷よしもと漫才劇場 オープニングプレミアム公演」が開幕。

最初に登場した中田カウスは「なんと言ってもマンザーイ」とお馴染みの口調で会場を沸かせ、続く後輩たちへと繋げた(写真提供:吉本興業株式会社)
オープニングを飾ったのは金魚番長(写真提供:吉本興業株式会社)
ナイチンゲールダンスは、中野なかるてぃんが「丸の内サディスティック」に物申す(写真提供:吉本興業株式会社)
ケビンスはコンビで遊園地に(写真提供:吉本興業株式会社)
カゲヤマはコントで魅せる(写真提供:吉本興業株式会社)
優しさについて考えさせられるさや香の漫才(写真提供:吉本興業株式会社)
エバースはほっこりしたはじまりからとんでもない展開に(写真提供:吉本興業株式会社)
トリを飾ったのはアインシュタイン(写真提供:吉本興業株式会社)

アインシュタインのネタ終わりには、2人と中田カウスによる3ショットトークも。ここで中田は「稲ちゃんはどこに住んでるの?なにが近くにあるの?」とかなりプライベートに切り込んだ質問を繰り広げる。これには稲田も河井もタジタジな表情を見せていた。

3ショットトークの様子(写真提供:吉本興業株式会社)

メディア向け取材会を全文レポ!

記念すべき「オープニングプレミアム公演」が終了した後、メディア向けの取材会が行われた。その様子を全文レポートする。

———本日オープンを迎え渋谷よしもと漫才劇場。中田カウス師匠は、今後どんなことを期待しますか?

中田カウス(以下、中田): そうですね。もうすでにみんな頑張ってますしね。ええ、まあ、クオリティの高い芸人に、この劇場から育って欲しいです。クオリティということを最近特に意識しておりますが……副会長どうですか?

アインシュタイン・河井ゆずる(以下、河井): いやいやいやいや……

中田: ねえ、稲ちゃん?

アインシュタイン・稲田直樹(以下、稲田): はい!平(ヒラ)の漫才師としては……

中田: どんな髪型してんの?相方は。

稲田: え、どんな髪型?それ、なんのフリでしたっけ?ごめんなさい。もう忘れちゃいました。

中田: ネタ終わったら、マジになるんやね(笑)。はい。まあ、そういうことで、ただ笑わすとか、ただ芸人をやっているんじゃなくて、芸人であることの意識を持ってですね。だから、この間「“グレー”やと思ってた」という発言がありましたが、「白やった」と思っているということが大事なわけでね。すでに色がついてますからね。もちろん、グレーっぽく振る舞うのはいいと思います。お酒も飲んだふりですね、遊んだふりもいいとは思います。お酒も飲んで酔えば良いんですけど、酔っ払ったらダメなんです。芸人はね。というようなことをこれから学んでほしいなあと思うんですね。それから、このごろ、お客さんと芸人の距離がどんどん縮んできました。これがちょっと危険なところはあるのかなと。まあ、テレビが、時代がそうしたんですけどもね。これからはまあ、アインシュタインや、後輩からはエバースとか。この2組の漫才は、独特なもんもありますしね。そこを目指して、頑張っていただければと……さや香、忘れてたな!そんなとこおったんか?

さや香・新山(以下、新山): はい、エバース目指して頑張ります!

エバース・町田和樹(以下、町田): いやいや、やめてください!

中田: この間、NGK(なんばグランド花月)で新ネタやっとるなと思ったら、舞台で喧嘩してたね?

さや香・石井&新山: それは、そういうネタです!

中田: いやいや、あれはネタじゃないよ。どこで落とすんかいなと思いきや、オチなんかスッと終わって(笑)。まあ、そういう情熱が大事なんですよね。いろんなコンビに育って欲しいと思います。そういうことでどうですか?副会長。

河井: はい、もうおっしゃる通りだと思います!

中田: 副副会長はどうですか?

稲田: いやいや、僕はそんな役職なんか……。

———アインシュタインさんにお伺いします。よしもと漫才劇場(大阪)の出身として、4館目となった渋谷よしもと漫才劇場の後輩達にエールなどがございましたら、お願いいたします。

河井: あのクオリティの……

一同: (笑)。

河井: いや、でもまあ、劇場の名前は変わりましたけど、まあ、今まで通りと言いますか。本当にお客さんにたくさん来てもらえるような劇場になると良いなと思っております。

———稲田さんはいかがでしょう?

稲田: 良いんですか?僕みたいな雑魚漫才師が……!

河井: なんで平から降格すんねん!

稲田: 若手の劇場があればあるだけ、若手の芸人さんたちもいらっしゃいます。僕も本当に、最初はなにもしゃべれない、なにもウケを作れないやつだったんですけど、今こうやって立派に雑魚漫才師としてやれているので、切磋琢磨していただけたらなと思います。

中田: ちょっと笑いたいね。……はい、一言どうぞ!

町田: そうですね。渋谷の中心となるような劇場、渋谷といえばハチ公よりも漫才劇場となるように……笑いはしませんでしたけど。

エバース・佐々木隆史(以下、佐々木): 次期副会長を狙っているので、頑張ろうと思います。

中田: 何年、2人で暮らしてたん?

佐々木: 4年とかですかね。4年、ルームシェアしました。

中田: よっぽど相性が良いねんな。帰ったら(佐々木が)ネタを書いてたんでしょ?(町田は)なにしてたん?その間。

町田: 家事を。

———エバースさんは、今後この劇場でやってみたいことなどありますでしょうか?

佐々木: こういうすり鉢状になってる劇場って、ほかに見ないんですよ。ちょうどギリシャのコロッセオみたいだなと思うので、戦うことはありかもしれないですね。

町田:なしだろ。

———町田さんは?

町田: すり鉢状とか本当に珍しいと思うんで。こう、笑いをね。こう、ぐっと1点に集めて、大きくなるぐらいの笑いを起こしたいです。

中田: すり鉢状は、うめだ花月(大阪/2008年閉館)がそうでしたね。

河井: 僕、ギリギリ前説やったことあります。前のコンビで、(アキナの)山名と組んでたときに何回かだけ行きました。

中田: もうちょっと小さい劇場だったけど、もっとすり鉢状だった。

河井: そうですね。もっと急勾配で。

中田: すり鉢で一番上から人を見下ろされるねんけど、困ることはない?

稲田: 頭頂部が見られちゃうっていうことですね?へへへへへへ。

中田: どんなところでも条件の悪いとこほど芸人は力つけるんですね。「こんなところでしかやれん」というのは素人なんです。やりにくいとこでどんだけやれるかということが、プロやと僕は思いますね。最高の劇場です。

———金魚番長さんは、この劇場で新しく挑戦してみたいことはありますか?

金魚番長・古市勇介(以下、古市): 笑いだけじゃなくてね。驚きとか感動、そういうことが体験できるような劇場にしていきたいと僕は思ってます。……………あの~、皆さん聞いてますか?僕しかしゃべってないんですけど。

金魚番長・箕輪智征(以下、箕輪): 聞いてるよ。

古市: ほかとはまた違ったね、色のある劇場になればなと。若手の僕ら、リーダーになっちゃったんで。なっちゃったというか、ならしていただいて、だからあの、盛り上げていこうっていうことです。…………聞いてます?

———カゲヤマのおふたりに聞きたいのですが、渋谷よしもと漫才劇場でコントをするというのは、いかがでしょうか?

カゲヤマ・益田康平(以下、益田): ええ、そうですね。今日もコントをやらせていただいたんですけれども。本当にやって大丈夫なのかと……

中田: なんで、「大丈夫?」なん?

益田: 漫才劇場っていう名前がついてるのに、コントやって……

中田: 漫才コントやん?吉本新喜劇は集団漫才。漫才、漫才やってる!

益田: ありがとうございます!ええ、本当に漫才師として、漫才の道を突き進みたいと思います!誇りを持って!

中田: そう思いませんか?ナイチンゲール(ダンス)?

ナイチンゲールダンス・中野なかるてぃん(中野): 僕たちは、本当に漫才をやってる。この劇場でもずっとやってたんですけど、リニューアルしていただいて、やる気も出ました。このね、床を張り替えてもらったんですよね。これがグレーで綺麗なんですけど、さっきの師匠の話聞いたら、これ僕がグレーだと思ってるだけで、グレーじゃなくて真っ黒なんじゃないかっていう。

ナイチンゲールダンス・ヤス(以下、ヤス): グレーだよ。

中野: 僕が“グレー”だと思ってるだけで、L’Arc〜en〜Cielなんじゃないかって!

一同: いやいやいやいや…

中野: 僕が“グレー”だと思ってるだけで、結構すべってんじゃないかって。

一同: (笑)。

中野: いや、でも僕たちも今まで“若手”で括られていたんですけど、先輩らと一緒のカテゴリーになったんで、負けないように、吉本の魅力を出していければ良いなと思います。

ヤス: 僕も早くゆずるさんを副会長の座から引きずり落としたいなと思っています。そして、ゆくゆくはカウス師匠の座を奪う。吉本は僕が焼け野原にしてみせます!カウス師匠を吹っ飛ばします!よろしくお願いします!

中田: 東京の子らは僕のことあんまりわからんのやろうけど、僕のさじ加減でどうでもなる。

一同: うわ〜!!!!!

中田: では、ケビンスも。

ケビンス・山口コンボイ(以下、山口): はい、新しい劇場に対しての意気込み!ケビンス・山口コンボイ、失礼します!……チョキピース!!

ケビンス・仁木恭平(以下、仁木): もっと言えよ。いろいろどうしていきたいとか。

山口: 師匠、まず、床を新しくしてくれてありがとうございます。僕、ネタの中で飛んだり跳ねたりするんですけど、この素材、一番飛びやすい素材なんです。イェーイ!(ジャンプして見せる)

ジャンプして着地した直後の山口コンボイ

———カウス師匠にあらためてお伺いします。この劇場からM-1チャンピオンも輩出していきたいとの思いはありますか?

中田: もう劇場しかないじゃないですか。えっとね、吉本以外のプロダクションの子は、劇場がないのはかわいそうやと思いますね。うちの子以上に練習をしているんですけど、ネタ合わせや練習をしすぎると型ができるんです。その点、うちの子たちというのは、できた型を劇場で破っていくんです。それが漫才やと思うんです。いつも今の時代を切り取って見せるということなんで、やっぱり劇場がないと、漫才師としては、ちょっと難しいかなと。お客様とともにネタを作っていると。お客様とともにネタを運んでいくというね。ええ、漫才コンビの間もだし、客との間というのがありますので、いくらネタ合わせをしても、やっぱりうまくはならない。それと、「ウケようウケよう」と思っているのはまだ素人ですね。もっとなんぼでもスベったら良いんです。漫才好きなもん同士がコンビ組むと、よくぶつかるんです。「そこはそうじゃない」、「あそこはそうじゃない」とか言いながらね。なかなか難しいもんです。好き同士でもダメやしね。嫌いやったら、なおさらあかんしね。どっちかが良すぎると、ついていくことになったりとか、そういう調整をするのが舞台なんですね。だからうちの師匠は、「悩みごとは全部舞台にある」と。ネタの悩みもあるし、金も落ちてるし。舞台に出ればすべて、漫才師としての人生の悩みの解決はできると言われたことをいまだに覚えてますし、そういうことやと思います。

文, 撮影:於ありさ

編集:堀越 愛