シシガシラ・浜中英昌さんによる連載『脇田 in WONDERLAND』。この話、どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが虚構?
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メイク
ある日のこと。
この日はロケの仕事が入っていた。まずはスタジオに演者が集合して、そこで打ち合わせとメイクをして、みんなでバスに乗ってロケ現場に移動する。
楽屋に入り少しダラダラしていると、番組のスタッフさんがシシガシラの楽屋に来た。「シシガシラさん、メイクどうぞ〜」と声をかけていただき、脇田さんと二人でメイク室に向かった。
先に部屋に入っていた脇田さん。
後から部屋に入る浜中。
5分後……
「はい、オッケーです」
後からメイクしてもらったのに、先に終わった浜中。
ん?脇田さんメイク長いな……
浜中は楽屋に戻る途中にある喫煙所に向かい、タバコを吸っていた。
ガチャ……
脇田さんもメイクが終わり、喫煙所に入ってきた。
浜中は携帯をいじっていたため脇田さんの顔を見ていない。
ガチャ……
誰かが入ってきた。野性爆弾のくっきー!さんだ。
「おはようございます」
「おう」
………「なんやお前!!」
くっきー!さんが脇田さんの顔を見ながら言った。
浜中は「なんだろう」と思い、ここで初めてメイク終わりの脇田さんの顔を見た。
「真っ白だった」
爆笑するくっきー!さん。
「お前白すぎるやろ!なんやねん、その顔。ワハハハハ」
あの、白塗りのプロと言っても過言ではないくっきー!さんが脇田さんの天然白塗りで笑っていた。
くっきー!さんは続けて言う。
「おばはんやん!」「メイクさん90歳ぐらいやったの?」
脇田さんは言う。
「違うんです。目閉じてて開けたらこうなってたんです」
爆笑しながらシシガシラは喫煙所を後にして楽屋に戻った。
真相
楽屋で待っていたマネージャーさんも、脇田さんの顔を見て爆笑していた。
すぐさま脇田さんの写真を撮るマネージャーさん。
その写真をすぐにシシガシラのLINEグループに送ってくれた。
数日後、浜中のXでこの写真をあげようとしたところ、あることに気付いた。
真っ白……いや……耳がない。
メイクする前の楽屋では、確かに脇田さんの耳はあった。
しかしメイク終わりの写真には耳がないのである。
先ほどの違和感がここで繋がった。
脇田さんメイク長いな……
脇田さんは耳を削られていたのだ。
きっと、奥で話していたメイクさんたちの聞いてはいけない芸能界のゴシップを聞いてしまったのだろう。
「今聞いてましたよね?」
「いや、聞いてないです。」
「本当は聞いてましたよね?」
「本当に聞いてないです!」
「このまま帰すわけにはいかないですね」
「ちょっと、やめてくれ、なにをするんだ、ぎゃーーーーー」
「もしこのことを誰かに言ったらどうなるかわかりますよね?」
「……はい」
「……はい、メイクオッケーです」
耳を削ったことがバレないように顔を真っ白くされ、耳に目線が行かないようにされていたのかもしれない……
今後もしみなさんがメイク室に入ることがあるなら、イヤホンして行くことをオススメします。
作者プロフィール
シシガシラ・浜中英昌
吉本興業 所属
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