シシガシラ・浜中英昌さんによる連載『脇田 in WONDERLAND』。この話、どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが虚構?
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面白かったねぇ
無限大ホールの喫煙所でタバコを吸っていたら、やさしいズのタイが声をかけてきた。
「浜中さん!聞いてください!!」
何事かと思い「どうした?」と聞くと、、、
ある日、やさしいズのタイは脇田さんと映画を観に行ったらしい。
タイがとても楽しみにしていた映画だった。ワクワクしながら待っていると映画が始まった。
いきなり魅了されるタイ。
映画の世界に入り込むタイ。
夢中で観ていたその時だった。。。
カァー、スー、カァー、スー、、、
シーンとなっている映画館に、突如隣からいびきが聞こえてきた。
映画が開始して30分後の出来事。
いやいやいやいや、、
自分の耳を疑うタイ。そんなはずがない!まだ30分しか経っていない!ありえない!信じられない!そんなバカな!!
しかし現実は、、、
脇田さん爆睡。
ここで驚愕の事実を皆さんに告げよう。
実はこの映画、、、
1時間なのである、、、
1時間で終わる映画なのに脇田さんは開始30分で寝てしまっていたのだ!
先に言っておきたいことがある。
この映画がつまらなかったから脇田さんが寝たわけではない!なぜなら後日、脇田さんは改めて1人でこの映画を観に行って、めちゃくちゃ面白かったと言っていたからだ!
しかし、タイと観に行ったその日は寝てしまったのだ。
一体脇田さんはどんな夢を観ていたのだろう。
きっとこんな夢だろう、、、
朝目が覚めていつも通りトイレに行き、その後歯を磨こうと鏡を見ると髪がフサフサでボサボサになっていた。
信じられない脇田さんは髪の毛を触ったり引っ張ったり、鏡に近寄ったり遠ざかったりしながら何度も何度も確認した。
しっかり生えている。
興奮した脇田さんはすぐに家を飛び出した。
近くの美容院に行き、目を輝かせながら「髪を切ってください!!」と美容師さんに言った。
20年振りの美容院。
本当はハサミが入るたびに飛び跳ねたい気持ちを抑え、目をつむり、シャク、シャク、シャクと髪が切れる音を堪能していた。
30分後、、、
その時だった。
カァー、スー、カァー、スー、、、
夢の中でまた寝てしまったのだ!!
どうしても眠気に勝てない脇田さん。
一体脇田さんは夢の中でどんな夢を観ていたのだろう。
きっとこんな夢だろう。
朝目が覚めていつも通りトイレに行き、その後歯を磨こうと鏡を見ると髪がフサフサでボサボサになっていた。
信じられない脇田さんは髪の毛を触ったり引っ張ったり、、、
ヤバい、、これ、、一生ループだ、、、
このループを4回繰り返し、5回目に行きそうになった瞬間、眩しい感覚がして脇田さんは目を覚ました。
ゆっくり目を開きスクリーンを観るとエンドロールが流れていた。
なんと脇田さんは寝た後悔よりも、ループから抜けだせた喜びが勝っていた。
ちなみに映画を観終わった後、映画館を出てエスカレーターで地上に降りてる時に、脇田さんがタイに「いやぁ〜面白かったね」と、あたかも全部観ていた感じで言ってきたらしい。
タイは「ふざけんな!寝てたのバレてるぞ!」と怒った。
しかし、脇田さんの言ってる「面白かったねぇ」というのは、違う意味だったのかもしれない。。。
作者プロフィール
シシガシラ・浜中英昌
吉本興業 所属
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