いずれ、全力で前に走りたくなる日が来る《春とヒコーキ「VIP ROOM HARUHIKO ~秘め問い~」第五回》

『VIP ROOM HARUHIKO』は、春とヒコーキが読者から寄せられたお悩みに回答する場所。恋愛や仕事など、あらゆるお悩みに対し二人の視点でアドバイスします。

お悩みは、随時募集中。ジャンルは問いません。恋愛、夢、仕事、家電選び、おすすめのラーメン屋……。重すぎて誰にも言えないお悩みでも、「こんなこと聞いて良いの?」と思うようなくだらないお悩みでも、春とヒコーキが真剣に回答します。

バーのVIP ROOMで、誰にも言えなかった悩みをこっそり打ち明けるような……そんな想いでご投稿ください。(お悩み投稿はコチラから)

バキバキ童貞としてネット世界に君臨するぐんぴぃさんと、喋るとサイコパスが滲み出る土岡さん。“人間” をしゃぶりつくすような、多角的な魅力にあふれるお二人。どんなアドバイスをしてくれるのか、楽しみです。

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お悩み①

自分の人生を生きているという感覚がありません。
僕はこれまで、人生のターニングポイントのようなものを「なんとなく」でやり過ごしてきました。なんとなく塾の先生に薦められた高校に行き、なんとなく良さそうな大学に進み、ただなんとなく過ごしてきた結果、今の自分の人生に対して当事者意識が薄くなってしまったようです。
苦しいことも、楽しいこともあります。その時々によって気分も変わります。

ただ、苦しんでいる最中、あるいは楽しく笑っている最中にも、自分の背後にもう一人自分が立ってこちらを見ているような感覚になります。
「ああ、今自分はこういう理屈で怒ったり笑ったりしてるんだな」という他人事じみた自意識が抜けません。気味が悪いです。どうすればいいでしょうか。
(HN. サグメ襟/20歳・男)

ぐんぴぃの回答

人生を生きている感覚なんて、容易に手に入れられるものではありません。

とくに、20歳の大学生なら尚更。ターニングポイントをやり過ごせないのはここから。
どんどん人生の軸がブレていきながら、人生があなただけのものになっていきます。振り返ってようやく「生きてたな……」なんて実感できるものかもしれません。
僕はまだあなたの1.6倍しか生きていないので、偉そうなことを言うのは憚りがありますが。

生きている感覚なんて言葉は曖昧で捉えようがありませんが、多分あなたが足りないと感じているうちの一つは「没頭すること」じゃないかと思っています。趣味なのか、仕事なのか、はたまた流行りの推し活なのか。当事者意識を呼び起こす没頭できるものを見つけましょう。

こんなことわざわざ言わない方がいいんでしょうけど、『ゴーマニズム宣言』にあなたのような何物にも没頭できない人が、たちまちに新興宗教にハマっちゃう回があります。それだけは気をつけましょう。

ああ……言わない方がよかったな。
ゴーマニズム宣言を立ち読みしてたのがバレるのも恥ずかしいし……。

土岡の回答

自分の人生の主人公になれていない、というお悩みですね。
主人公なら意思を持った選択でストーリーを進めていくはずなのに、自分は……。

でも、あなたは、そんな「自分の人生の主人公になれていない」という悩みを抱えた主人公です。自分の感情なのに俯瞰してしまい他人事じみているのが、気味が悪い?それってあなたの感想ですよね?他の誰でもない、あなたが20年生きてきたから生まれた、あなたの感想ですよね?

じゃあ、あなたはあなたなりの距離感であなたの人生や感情と向き合っています。それはもう、あなたの人生の主人公です。(ひろゆきさんもそれが言いたかったんです。あの人はいつも言葉足らずだから)

あとは、自分が興奮した瞬間を大切にしましょう。ご飯を食べておいしかったとか、アニメを見てワクワクしたとか。もしくは、なんの感情もなくゲームを何時間もやってしまって後悔した、なんてのもあなたの感情です。

そんなのは些細すぎる、と思うかもしれません。
でも、実際に感じた興奮や感動をしっかり味わうことこそ、人生のような気もします。おすすめのディズニー映画がありまして、『ソウルフル・ワールド』、観てみてください。

『ソウルフル・ワールド』
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お悩み②

大学3年生女子です。
数ヶ月前に「ゆくゆくは結婚したいな」と思っていた彼氏に、「忙しさ」を理由にフラれました。ただ、互いに嫌いじゃないというのはわかっていたので、そこからズルズルと夜だけの関係になり、その後また喧嘩をして連絡をとらなくなり……。
ただ、彼が使っていたSNSの惚気垢は消されず、LINEもブロックされず、とろうと思えば連絡もとれる状態です。そんな状況に、未練タラタラな私は少し期待しては絶望し……を繰り返した結果、精神的に病んでしまいました。
もっといけないのは、病気にかまけて就活を疎かにしまくっていることです。就活への気力が失せてしまい、大切な時期なのに私だけ動いていないことにも焦りつつも、仕方ないよね、となにもかも行動に移せていません。

恋愛にも就活にもケジメをつけられないまま、とにかく怠惰な日々を送っています。どのようにしたら、なにから着手したら、この状況から脱出できると思いますか?
どうか、私の現在の唯一のオアシスである春ヒコのお2人にご意見をいただいて、動きはじめたいなと思っています。

(HN.ますだみずき/21歳・女)

ぐんぴぃの回答

まず最初に。
この質問はバキバキ童貞の僕が答えられる域をはるかに超えています。恋愛と人生のこと。これに適正な回答を叩き出せたら、おそらく僕の人生はもっと快方に向かっていたはずです。少なくとも日陰者ではなかったでしょう。

質問のジャンル、ハードルに慄きながら、しかし、底辺芸人にしてはちゃんとした原稿料を頂いている以上、なんとか答えを絞り出すという、誠意だけで解答に挑むことをお許しください。

一度どん底まで落ちるしかないでしょう。
とにかく自堕落に生きる。怠惰であることにも飽きるくらいに。嫌なことはぜんぶ辞めちゃう。まわりに迷惑かけちゃうかもだけど、なまじダラダラ頑張ってたら限界が来ます。

なにから頑張ればいいか分からない、着手しようがないタイミングでは、まだ足を止めて後ろに下がるべき。いずれ何が何だか分からないけど、全力で前に走りたくなる日がきます。僕はこの“一度下がってダッシュする現象”を「チョロQ効果」と呼んでいます。

僕も大学の頃、どよんと落ち込んで動けない時期がありまして。
半年間引きこもって、そのあとガムシャラに活動しまくる「チョロQ効果」を実感したことがあります。当時は大変な回り道をしている気分でしたが、今では必要な行程だったんじゃないかな?と思えるようになりました。

チョロQダッシュをかましましょう。

土岡の回答

元カレさんはもう、あなたに幸せを与えるためでなく、自分の寂しさを埋めるために会っていたと思います。

LINEやSNSを残しているのも、寂しくなったらあたなとのつながりがある、というセーブデータを残しているだけで。別に元カレが自分を優先するのを責めるつもりはないですが、みずきさんもそれで判断してもらえたらと思います。

で、就活の頑張り方は、ぼくは分かりません。ぼくは面接を1社落ちる度に「これでよかった。働くことから遠ざかることができた」とホッとしていたクチなので。途中からはそれが当たり前になり、面接に向かうコンビニで「さ、今日も1社落ちてきますか!」という意気で買うアイスコーヒー、おいしかったです。

疲れた状態からまた動き始めるとしたら、自分のやりたいことが何だったか思い出す、自分で何かやりたいという気持ちを思い出すことでしょうか。新しく野心や大義を身に着けなくてもいいので、みずきさんが今まで好きだったことを思い出しましょう。

好きなことを好きでいるためにやる。という意識を持って過ごしたいなとぼくも思っています。


次回の『VIP ROOM HARUHIKO』も、お楽しみに。

★お悩みは随時募集中!:https://forms.gle/p1piRFNrP2yuPwXY7

アドバイス:春とヒコーキ
編集:堀越 愛、サムネイル:つるみ32、写真:フクダ

PROFILE

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左:ぐんぴぃ
右:土岡 哲朗

★公式プロフィール:https://www.titan-net.co.jp/talent/haruhiko/
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