2022.01.18
【教えて!さすらいセンパイ! ~進路相談・栗山編~】相方探し・平場の立ち回り・モチベーション
さすらいラビーが学生芸人三人のお悩みに直接答える、『学生芸人の不安を解消!教えて!さすらいセンパイ!』。個別進路相談二人目のゲストは、早稲田大学お笑い工房LUDO所属の栗山浩樹。相方探し・平場の立ち回り・滑ったときの気持ちの保ち方など、学生時代にお笑いに取り組んだからこその悩みを相談しました。
★【教えて!さすらいセンパイ!】さすらいラビーが学生芸人のリアルなお悩みに回答!~「プロになる?」学生芸人アンケート~
相方「今の時代の見つけ方」
栗山 浩樹(以下、栗山): よろしくお願いします!
中田 和伸(以下、中田): 君はなにができる?
宇野 慎太郎(以下、宇野): いやいや良いって(笑)。圧迫すんなって。
中田: 圧迫したくなるんだよ、ここに座るとね。
宇野: 気軽な感じでね!
中田: 気楽で良いからね!
宇野: それが怖いんだよ(笑)。
お悩み①
今組んでいる相方がプロにならないので、相方探しから始めないといけません。
相方を大学お笑いで見つけたら良いか、養成所に入るべきか、悩んでいます。
宇野: 相方はプロにならないんだ。ピンではなく、コンビでやりたい?
栗山: そうですね、コンビでやりたいので相方探しから始めないといけなくて……。養成所に入ろうかなと思ってたんですけど、以前ライブで、LUDO(早稲田大学)OBのゼンモンキー荻野さんや吉本興業のゴヤさんと一緒になる機会があったんです。そこで「養成所に行って相方探そうと思ってます」って話をしたら、「大学お笑いで見つけておいた方がいいよ」って言われて。
中田: なるほど!
栗山: 「養成所に良いやつがいると思ってるかもしれないけど、意外といないから今のうちに見つけておいた方が良い」って。いやー、困ったなと。
中田: 捉えようによっては、ゼンモンキー荻野は今の相方に不満を持っている、っていうことにもなってしまうな。
宇野: 養成所で見つけた相方だからなぁ(笑)。
中田: ゼンモンキーは奇跡みたいなとこがあるからな。
宇野: 「俺らは奇跡だけど」っていうスタンスで喋ってくれたと思うけど。
栗山: 荻野さんは、最初は養成所で別のコンビを組んでて、解散してゼンモンキーを組んだんです。で、1個前のコンビの解散時期がちょっとズレてたりしたら、もしかしたら事務所に所属さえできてなかったかもしれない、みたいな。
宇野: ゼンモンキーになれてないかもしれないわけだからね。
栗山: そうですね。良い相方と巡り合えるかって運の要素があるから……でも、その“運”のためだけに養成所に40万とか払うのは、リスクが高いんじゃないか……みたいな。
中田: なるほどなぁ~~~。……お笑いって、リスクとかじゃないから。
宇野: パッションのタイプね(笑)。
中田: なんなの? コスパがどうとかさぁ。……(小声)分かる、分かるよ。俺は分かるよ、ほんとは分かるよ。
宇野: 大学お笑いでさ、一人でプロ目指してるやつとかいないの? 他大でも。
栗山: いや~、探せばいるんでしょうけど、見つけりゃ良いってわけでもないので……。
宇野: まぁねぇ。そりゃ、合う合わないもあるし。
栗山: 目指してる場所が一緒かとか、そういう要素もあるので、そんな簡単に声かけられるわけでもないですよね。
中田: 恋愛じゃないけど、ちょっと気になってる人とかもいないの? 今。
栗山: うーん……そうですねぇ……いないかなぁ。
宇野: となると、養成所に行くほか無い。でもまぁ、東京ホテイソンは相方探しの掲示板で出会って結成したっていうのがあるからね。そういう手もあるかもしれないけどね。
中田: うんうん。
栗山: 養成所で出会う人って、(ほとんどの人が)お笑いやるの初めてじゃないですか。でも、大学お笑いの同期で探せば、同じスタートラインから始められるというか。初めての人とやるよりは、ある程度経験ある人のほうがやりやすいのかなと。
中田: どういうネタをやりたいの?
栗山: 大学4年間ずっとコントをやってきたので、コントメインでやりたい。だから、漫才やりたいとかなっちゃうと、違うかなって。
宇野: 変な話、この動画や記事をさ……
中田: 待って、同じこと思った。
宇野: じゃあ黙っててよ(笑)。俺が言うよ(笑)。
中田: え、なんて言おうとした?
宇野: これからプロの芸人になろうと思ってる人も見てるだろうから、ここではっきり「僕はコントがやりたいです。相方募集してます」って言えば、もしかしたら連絡来るんじゃない? って。
中田: そうなのよ!
宇野: うるせぇよ(笑)。その良い機会として、利用させてもらえば。
中田: 「今の時代の見つけ方」ってあるよな、絶対。
宇野: 発信できるわけだからね。例えばこういうきっかけで「組みたいです」って連絡来たとして、そういう人と連絡とってみる気は……。
栗山: いや……そんなやつ、面白いですかね?
中田: いいよその! 合コン来る女性と付き合いたくない理論(笑)。
宇野: 1回会って、話聞けよ(笑)!
中田: じゃあさ、本当に連絡来るかは分かんないけどさ、どういうところが合えば「フィーリング合う」って思える?
栗山: そうですね。やっぱ『キングオブコント』を目標にやってるとか。演技力とか、ネタの上手さとか。そういうのは必要としたいですね。
中田: コントがやりたくて、演技力・表現力がある人だ。
栗山: 遅刻とかもしないほうが良い。
中田: 言っといたほうが良いよ、全部。
栗山: 男性のほうが良いですね。
中田: 意外に大事かもしれないな。
宇野: それくらい?
栗山: そんなもんっすかねぇ。結局、感覚が合うかとか、会ってみないと分かんないんで。
宇野: まぁね。だから、今の条件をなんとなく理解しつつ、興味ある方いたらね。連絡してもらえれば。
中田: そうだね。会ってみたら良いよ。
栗山: そうですね。なんかアリな気もしてきました。
宇野: 年齢の上限とかは?
栗山: そんなに離れ過ぎてなければ。
宇野: じゃあ30歳くらいまで?
栗山: 30かぁ……。
宇野: 30きついか(笑)。今いくつ?
栗山: 22歳です。
中田: 30ダメ? じゃあうちらダメだね~。えーおばさん? うちら~。
栗山: ある程度、同年代のほうが……。
宇野: 25歳以下くらいかな。
中田: 『YOAKEMAE』のチャンネルに、ネタ上がってますよね? そのコント見てもらって。やっぱ、ネタでフィーリング合うか分かると思うからね。
栗山: あ~~~。
中田: どうしたの。
栗山: もっと良いネタあるんですよ。
宇野: 一番良いネタやれよ(笑)!
中田: 出し惜しむなよ!
宇野: なんだと思ってんだ『YOAKEMAE』を。
栗山: あのネタで判断しないで欲しい。
宇野: どうすりゃいいんだ、じゃあ(笑)。まぁ興味ある方いたらね、是非是非お待ちしております。
~栗山浩樹・相方募集~
・『キングオブコント』優勝を目指し、本気でコントをやりたい
・コントや演技の経験がある
・遅刻をしない
・男性/25歳以下
興味のある方は、栗山宛に連絡をお願いいたします!
連絡先:@kuri_alb_1110
プロを目指す人間として……
お悩み②
ライブにはネタのみで出演することが多く、平場経験の回数が少ないです。
プロになったとき、上手く立ち回れるか不安です。
栗山: 学生芸人のライブって、平場があんまり無くてネタばっかりって感じなんですよ。やっぱプロになると、平場での立ち回りとかも重要になってくると思うので……。
中田: すごい真面目な悩みだよね。平場なんてどうでも良いと思ってたんじゃない? 学生時代。
宇野: 思ってたね~。
栗山: 2020年に『ガチプロ』という大会で決勝に進ませてもらったんです。ネタが終わった後、得点の集計時間にMCのママタルトさんとトークする時間があったんですよ。「こう来たらこう返そう」みたいなのを3パターンくらい頭に入れて……。
中田: 偉いよ。
宇野: 誰も考えてないよ、学生って。
栗山: 考えてたんですけど、いざ始まってみたら想定と違う方に話が行って。「やばいやばい」と思って、棒立ちで。言うこと思いついても、滑ったり変な空気になったらどうしようと思って、本当に一言も喋れず……プロを目指してる人間として、ほんっとに情けないと思ってしまって。
中田: すごい真面目だな。
栗山: それをずっと引きずってて。一応、それからは普段のライブでも、平場があったらなるべく前に出ようって思ってるんですけど。
宇野: めちゃめちゃ偉いよ。
中田: 宇野なんて、いまだに引っ込むから。
宇野: そうそう。引き芸。
中田: 引き芸って言うな、それを。
栗山: でも、全然払拭できてないんですよ、平場への不安が。
中田: 学生で平場経験が少ないのはしょうがないのよ。
宇野: でもさ、養成所の人達に比べたら、絶対やってるわけじゃん。
中田: そうだね。
宇野: だから、経験が少ないなんてことは無いと思うけどね。
中田: あと、芸人の世界に飛び込んだらライブに出れば平場もある。逆説的だけど、ネタで評価されれば「平場権」みたいなのを得られるというか……だからネタを頑張りながら、平場の回数を増やして慣れていくしかないのかなって気はするけどね。
宇野: こればっかりは悩んでてもしょうがない。
中田: その気持ちがあるだけで、すごい良いと思うよ。だから、出る貴重な機会があったら出る、って気持ちで良いと思う。
宇野: それだけで十分なんとかなるからね。
中田: 素晴らしい。合格です!
栗山: 平場をやってみて、自分にはタレント性・スター性が無いんじゃないかって薄々感じてて……。例えば、プロになったらテレビに出ることもあると思うんですけど、自分がバラエティでバンバン活躍してる姿がまったく想像できなくて。…………さすらいラビーさんは、どんくらい売れようとしてますか?
中田: なんだよこれは。「三回戦落ちをどう思ってますか?」とか、「どんくらい売れようと思ってますか?」とか。逆面談か。
栗山: 今って、活躍の場は“テレビがすべて”ではないじゃないですか。YouTubeとかもありますし。だからテレビにも出たいと思ってますけど、無理にそこにこだわる必要も無いんじゃないかなとも思って。お二人は、ガンガンテレビ出たい感じですか?
宇野: まぁまぁ、テレビは好きよ(笑)。
中田: テレビに出たいというよりは「『オールナイトニッポン』のパーソナリティになりたい」ってのがある。そのランクになりたい、というか。だから、なんだろうな。ムズイけど、「テレビに出てもおかしくない」くらいの感じというか。
宇野: だから、“テレビに出るために”しんどいことはしたくないって感じかな、ネタが好きだし。売れてる人でネタがクソつまんない人っていないから。とりあえずネタで評価されたら、あとはこっちに権利があるから。出たくないのは出たくないって言うし。
中田: そうだね。選べるランクまでいきたいっていう。
宇野: だから、テレビに出たいは出たいけど、そこまで執着してないってのも事実。あと、事務所の芸人みんなに「こんな番組のオーディションありますけど、どうですか?」って連絡来たりもするのよ。どんな番組でもオーディションに行く芸人もいるけど、選んで断る権利もあったりするから。それで断ることも、全然ある。
中田: こんな話して良いのかな……(笑)。でも「平場に自信無い」みたいに言ってたけど、どこでどう爆発するか分かんないからね。頭で考えてるうちは、なかなかムズイかもしれない。
宇野: まぁねぇ。
中田: (栗山は)キモイ、から。
栗山: そうですよね。
中田: そこがすごい魅力だと思う。その感じで良いと思う。喋るときにうぁ~ってなっちゃう感じとかを、もっと尖らすというか。さっきも「さすらいラビー」言えてなかったし。甘噛みしてたし。それが面白かったりするから。
宇野: 確かに。それぞれの出方があるから。宮下草薙なんてライブでめっちゃ一緒になってたけど、平場で前に出て行ったところ1回も見たことないからね。
中田: そうだね、自分から出て行ったことは無いね。
宇野: 絶対に出てかないんだから。でもやっぱり、気になるやつにはMCが振るから。それで、宮下草薙は「出たくないんですよ~」でウケる。それぞれのやり方があるから、なんでもかんでも「正しく」やんなくても良いのかなって。
中田: こういうところで、宮下草薙のなにが凄いかを語ってる俺らやばいよ。
宇野: まぁほんとね、身近な成功例として(笑)。
中田: だから、大丈夫! 全然大丈夫。思ってるより。
番外編
宇野: 他になにか聞きたいことある?
栗山: 普段ライブとかで上手くいかなかったりすると、自信を無くしちゃうというか、モチベーションがグッと下がってしまうことがあるんです。でもプロの芸人さんは、自分たちと非にならないくらい普段からライブとかオーディションとかこなしてるじゃないですか。うまくいくことばかりじゃないと思うんですけど、どうやって気持ちを保って仕事に臨んでるのか聞きたいです。
中田: 最終面接感あるなぁ……。
宇野: ライブで反応が悪かったときとか、めちゃめちゃ滑った日の夜、どうしてるかってことだよね。
栗山: はい。僕はそういうとき本当に落ち込んじゃうんですよ。でも続けていく上で、そんなこと言ってられないじゃないですか。
宇野: ……なんかあります?
中田: 3日くれ。
宇野: 今答えてくれ(笑)。
中田: 意外にムズイよね。でも今振り返ってみると、へこむ回数は減ってないんだけど、へこむ深さがそんなでもなくなってきたというか。積み上げてきた自信によるものなのかもしれないけど。結局「自分のやりたいことはこれ」って太く貫かれてないうちは、けっこう傷付くことも多いと思う。
宇野: それこそ、やりたくないことやって大失敗したときとかね。
中田: そういう軸ってあると思って臨んだとしても、意外とグラグラしてたりするから。まぁ、なんだろな。へこむもんです、3~4年目までは。だから自分なりに、音楽聴くとか友達と遊ぶとかエロいところに行くとか……それをやるしかないかな。
宇野: 俺はマジで、寝たら全部忘れちゃうから。もう寝るだけ。でも寝る直前、「うわ、あそこであぁ言えば良かった」とか「あの返し、なんも理解できてなかった。あぁすれば良かったじゃん」とかめちゃくちゃ思う。けど、起きたら全部忘れちゃうから。俺はそんなんでやってる。
栗山: 良いですね。
宇野: (笑)。俺は変に引きずることがないから。
栗山: 信念持って続けるってことですね。
宇野: やるべきことをやってれば大丈夫だと思うけどね。
中田: 大丈夫。
栗山: とても良い機会になりました。ありがとうございます!
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写真・文:堀越 愛