コンビのフィナーレは“竹内ズ版ガーナの葬式”!新たな門出を祝う、賑やかすぎる130分【竹内ズ最後のライブ『黒狸』レポート】

2023年6月10日(土)、西新宿ナルゲキにて竹内ズのラストライブ『黒狸』が開催された。このライブをもって、竹内ズは解散。6年のコンビ活動に終止符を打った。

竹内ズのラストライブ『黒狸』配信チケットはコチラから(視聴は6月17日(土)まで)

竹内ズが解散を発表したのは、5月17日。がまの助は、解散報告のTwitterで「じっくり話し合った結果、不仲」とコメント。不仲を隠して活動する芸人も多い中、竹内ズはかねてより不仲を公表。舞台上で言い争いをすることは日常茶飯事で、芸人仲間のSNSで舞台裏の喧嘩を晒されることもあった。

竹内ズの不仲がお笑いファンに浸透したのは、2021年秋頃だったと思う。当時パーソナリティを務めていたラジオでガチ喧嘩し、同席していた作家が仲裁。作家の本気仲裁が話題となり、竹内ズ=不仲が決定的になった。また、2022年1月には『水曜日のダウンタウン』(TBS系)に出演。がまの助が竹内に「解散ドッキリ」を仕掛けたところ、なんと10秒で解散が成立。竹内ズの不仲は、お笑いファンだけでなく一般視聴者にも大きな印象を残した。

まだ不仲とあまり知られていなかったころのインタビューより(2020年11月公開)

「竹内ズが解散する」とは思っていなかった人が多いのではないか。というのも、竹内ズは『キングオブコント2023』決勝を目指し、6ヶ月連続の新ネタライブを開催していたからだ。昨年の『キングオブコント』で敗退した悔しさをバネに、一念発起。先輩芸人をゲストに招き、昨年11月以降毎月3本新ネタを作り続けていた。まさか、その先に出した結論が「解散」だったとは……。

6ヶ月連続新ネタライブ初回『赤虎』終演後インタビューより

しかし、彼らの解散は一般的な「解散」とは異なる。不仲が理由の“円満”解散。後ろ向きな解散ではない。だからこそ解散発表後も仕事をキャンセルせず、スケジュールに入っていたライブはすべて出演した。中には、“新ネタ”で挑んだライブもあったという。また、解散まで毎日公式YouTubeに過去ネタをUP。さらに詳細は明かされていないが、近々『水曜日のダウンタウン』で「解散ホントドッキリ」が放送されるという。最後の最後まで、ファンを楽しませてくれるエンターテイナーである。

『黒狸』も、竹内ズらしさが存分に詰まったライブだった。若手から先輩まで、総勢11組のシークレットゲストが登場。悲しむ隙がないくらい怒涛の展開が続き、終演時間を40分(!)もオーバー。涙をぬぐうお客さんもいたが、最後にはみんなが「楽しかった」と笑顔になれたラストライブだったと思う。前置きが長くなってしまったが、竹内ズとして最後のライブ『黒狸』をここに記録しておきたい。

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以下、ネタバレありのため未視聴の方はご注意を。

オープニングは伝説のあのネタ

公演がはじまると、舞台は暗転。ファンにはお馴染み「これぞ竹内ズ!」なネタ『虚無僧』から、ラストライブが始まった。


配信終了後も何度でも見返したい方は、YouTubeチャンネル『竹内ズ公式チャンネル』へ。

記念日、それとも厄日?

竹内ズが登場すると、会場からは大きな拍手が。「今日が最後ということで、記念日ですね」というがまの助に対し、「いやいや、厄日厄日」と否定する竹内。あまりにもいつも過ぎる竹内ズである。

「どうしても午前中のうちに解散したい」ということで、『黒狸』の開始時間はなんと10時半。朝早いにもかかわらず、会場は満席。通路脇にパイプ椅子を増席し、竹内ズの解散を見届けるべくたくさんのファンや芸人仲間が集まった。

がまの助は「できるだけ、いつもライブに来てくれている人に来てほしい」という意向だったが「チケ発を頑張っていない」竹内の親戚が3人来場した。親戚は「一番笑うと思う」(竹内)

解散ライブだからといって「湿っぽくしたくない」ということで、がまの助がイメージしていたのは「ガーナの葬式」。ガーナには、”新しい人生のはじまりを祝う”という意図で葬儀を賑やかに催す文化がある。葬儀会場には陽気な音楽が響き、棺桶を担ぎリズムに合わせて踊るのだという。“棺桶ダンス”のように楽しい解散ライブを目指し、呼んだゲストは11組。感動とは無縁の「涙が引っ込むメンバー」が集結し、竹内ズ版ガーナの葬式がスタートした。

本物だと間違われ(?)、舞台袖で拝まれた虚無僧の図

バラエティ豊かなゲストたち

竹内ズの解散を止めた恩人(……!?)ユビッジャ・ポポポー
本物の恩人・りょうちゃんが、竹内ズに物申す!
通常営業の虹の黄昏
竹内ズは俺たちに憧れている!ただ香盤が気に食わねぇ!!
解散の先輩・村田大樹。「竹内ズぅ~!ようこそ~!!ずっと寂しかってんでぇ~!!」
永田敬介が語る、解散の地獄
次解散しそうな(???)偽善者コンビに扮して登場した真空ジェシカ
機嫌なおしのSEX MACHINEGUNS
パンを食べるサツマカワRPG
パンを食べる竹内ズ
パンを食べる竹内
限界が近いがまの助
なにがなんだか!ピーターパンウンコローム秩序
漫才がはじまる?
ピーターパンウンコローム秩序のネタは夢のような時間
満身創痍の本多スイミングスクール、プール間違い探し
竹内ズと深い仲の、よく来たな大岩
歌い上げるヨシダin the sun

竹内ズ、最後のネタ

ゲストパートが終わり、竹内ズとして最後のネタを披露。最後のネタは、今年の『キングオブコント』でやろうと思っていた勝負ネタ『福袋』である。


なぜか大トリはカントリーズ

竹内ズの勝負ネタでエンディングへ……と思いきや、カントリーズが登場。

おぉい!おかしいだろ!ふざけんなバカ!冗談じゃないよ!終われただろ!
乱入
「最初に出てきたヤツ」も乱入
竹内ズとはこれまで4回しか会っていないため、解散してもしなくてもどっちでもいいカントリーズ
力加減が分からない福田と、血流が悪く首が痛いえざお

竹内ズ、解散。それぞれの道へ

カントリーズの出番が終わったところで、全組のネタが終了。出演者が舞台上に集まり、エンディングへ。この時点で21分押し。

ぐ~ん棒持参のユビッジャ・ポポポー
ユビッジャのエビ枕に、一同「イエェ~~~~~イ!!!」
本多スイミングスクールの水着に、一同「イエェ~~~~~イ!!!」
えざおコールで大盛り上がり
ヨンクチュアリに出てた人?
この日気性が荒かった本多スイミングスクール
鏡あわせのふたり
カントリーズえざお
確保されるえざお
カオス
かまぼこ体育館を止めた竹内
あぶり出されたカントリーズ福田、やりかたが分からなかった森本サイダー
竹内ズのネタの終わり方「〇ね~!」に納得いかない真空ジェシカ川北
ユビッジャ「仲直りしてねッ」
がまの助「楽しい6年間でございました」「僕とは合わなかったですけど、僕は竹内くんのこと好きだったんで……」
竹内「じゃあ、以上でよろしいですか?」
竹内「がまの助、ほんとうにありがとう!」
竹内ズ、ありがとう!!!6年間お疲れ様でした

名残惜しさからか、ライブは40分押して終了。「午前中に解散」はギリギリ叶わず、お昼に解散となった。最後まで“竹内ズらしさ”を貫き、感傷に浸る隙間がないほどハチャメチャな130分。大きな拍手に包まれ、竹内ズの6年間は幕を閉じた。

がまの助も竹内も、芸人は辞めず活動を続けると発表している。YouTubeチャンネルも残す予定とのことなので、いつでも竹内ズのネタを観ることができる。また「共演NGはない」としているため、コンビではない形で一緒に舞台に立つ姿をいつか見られるかもしれない。

『黒狸』は、6月17日(土)まで配信で観ることができる。竹内ズと仲間たちによるラストライブを、お見逃しなく。

文, 編集, 撮影:堀越 愛