2021.04.15
阿佐ヶ谷ロフトAが揺れた!『荒城の月×メランコリー大喜利ライブ』完全レポート
2月28日、『荒城の月×メランコリー大喜利ライブ』が、阿佐ヶ谷ロフトAにて開催された。今回のライブは、田野(荒城の月を主催)、そしてFAN(メランコリー大喜利ライブを主催)という、大喜利やアマチュアお笑いの活動をされている二人が、普段それぞれに開催している大喜利イベントのコラボ企画である。どちらのイベントも毎回好評だが、阿佐ヶ谷ロフトAのような会場で、しかもコラボの形式で行われるとあって、ファンや関係者の間でも非常に期待が高まっていた。さらには、寺田寛明やレッドブルつばさといったライブシーンで活躍するピン芸人や、オモコロで活躍する店長、4コマの連載が話題のジョンソンともゆきなど、大喜利シーン外でも話題の出演者が揃っている。
ライブがスタートすると、主催の二人がMCとして登場し、「普通にお客さんで来る場所だからね」と会場への興奮を語った。また、阿佐ヶ谷ロフトAならではのドリンクの注文では、FANさんの「病み上がりなのでジンジャエールをお願いします」という注文に対し、田野さんがツッコミを入れるなど、ゆるい乾杯でのスタートとなった。
荒城の月、スタート!大盛り上がりの「『ラジオネームか!』と言わせてください」
さっそく、最初のパートは「荒城の月」。登場したのはFAN、かさのば、冬の鬼、ファイナルエース、レッドブルつばさ、俺スナ、蛇口捻流、そして唐揚げを手にしたぺるとも。MCは田野、警備員というメンバーだ。後半に登場する寺田寛明の『R-1グランプリ2021』出演直前のライブだったこともあり、レッドブルつばさは「ウケたいゼミナール卒業生、レッドブルつばさです」と自己紹介し、笑いを誘った。
はじめの2題は、通常のお題に回答する形式だ。1題目は「政治色が強いアイドルの特徴」。
続いて2問目は、「『ラジオネームか!』と言わせてください」。
和気あいあいとした大喜利イベントならではの、前の人にかぶせるような回答もあり、盛り上がりを見せた。
安倍晋三やボビーオロゴンが登場!?貴重な彼らの大喜利を見逃すな
ここからは、「初めての大喜利」という企画へ。大喜利をするのが初めての著名人と中継をつなぎ、その著名人による初回答の内容を当てようというコーナーだ……しかし、ここでなぜかMCの警備員が腹痛により退場。 ひとり残された田野がLINEで呼び込んだ有名人は、なんと安倍晋三。好きな芸人を聞かれた安倍さんは、「5番6番」と答え会場の空気をつかんだ。
まずは、「美しい国には具体的に何があるんですか?」という大喜利お題に対する安倍さんの回答をみんなで予想していく。レッドブルつばさは、「上々場軍団が売れ続けている未来」と回答。先ほど5番6番が好きだと言った安倍さんは『爆笑オンエアバトル』を観ていたはずなので、この回答は当たるかもしれない。
安倍さんの回答は、「美しい昭恵が私の帰りを待っている」だった。しかし、音声が乱れ回答が聞き取りづらかったこともあり、客席からは沈黙とどよめきが。「初めての大喜利ですからね、こういうこともあると思いますよ。お気になさらず」と田野さんから慰められる事態に。安倍さんも、「国民の皆さん、あと1問が限界です」とたじたじだった。
続いてのお題は、「今の元号に飽きた菅さんが考えた次の元号とは?」。安倍さんも「やりやすそうですね」と意気込み、各自が予想を開始した。
安倍さんの回答は、なんと「黒龍(こくりゅう)」。会場からも無事に笑いが起こり、ガッツポーズをしていた。そんな中継が終わった途端、以前よりもやや声の高い警備員が会場に戻ってきたのだった。
続いてファイナルエースがなぜか席を立ち、中継がつながったゲストはボビーオロゴン。流暢な日本語に違和感はありつつも、答えていくお題は「YOUは何しに日本へ?の取材で本当に『YOUは何しに日本へ?』と思った外国人」。
ボビーが答えたのは、「私は吉川ひなのさんにお母さんの車を洗ってほしい」という、どの予想よりもエキセントリックな回答だった。初めてにしてはあまりに尖っているため、大喜利経験を疑われる場面も。
次のお題は、「さんまのからくりテレビではクイズに正解すると『さんまの人形』、惜しい回答には『巻貝のぬいぐるみ』、ナイスボケには『マンボウのぬいぐるみ』などをさんまは回答者にあげます。ではさんまが『殺す』と思ったら何をあげる?」
実際のボビーの回答は、「村上春樹が生産した牛肉」。今回はボードすら使わず、タブレットに表示させた画像でもって回答をするという、最後まで尖ったままの様子だった。
モルカーVSメルト!挑戦者たちは、冬の鬼を超えられるか?
「荒城の月」最後の企画は、「冬の鬼を超えて行け」。名大喜利プレーヤーであり、今回の回答者でもある冬の鬼による過去の面白い回答を超えることを目指す。同じお題で大喜利をしたのち、今回のベスト回答を決定。続いて最後に過去の冬の鬼の回答が発表され、観客の拍手による投票で勝敗が決まる。
1題目は、「クレヨンしんちゃんのハズレの回のタイトル」である。
こちら、ファイナルエースの回答VS冬の鬼の回答で勝負。お客さんの拍手によるジャッジの結果、僅差でファイナルエースが勝利した。
続いてのお題は、「だいぶ若い世代に寄せてきたなと思った演歌」。演歌の回答ということで、皆さんメロディや節をつけて回答し、特に爆笑の起きたお題であった。
対する冬の鬼の過去回答は、「メルト~♪」。今回ベストに選ばれた「モルカー」と時代が少しだけずれただけの4文字という結果に一同大爆笑だったが、観客のジャッジはなんと「メルト~」の圧勝であった。
最後のお題は、「アホアホお料理教室ではこんなことを教えてくれる」。蛇口捻流が「アホジャガ」、「アホ煮込みうどん」と回答を重ねた結果、無事に彼の3回答目「アホージョ」がベストとして選ばれた。
対する冬の鬼の過去回答は、「猫の手はこうやります、猫っていうのはこれです、もう一度手を洗ってきます」。長文と4文字の対決は、これまた冬の鬼の勝利によって荒城の月パートは幕を閉じた。
後半はメランコリー大喜利ライブ!ささやき女将の登場で盛り上がる
続いては、「メランコリー」パートへ。まずは、寺田寛明、ミネ(むかしテレビ)、警備員、ジョンソンともゆき、田野、そしてMCのFANと蛇口捻流が登場。
すると、FANから「本日は、当謝罪会見の場にお集まりいただきありがとうございます。本日はですね、謝罪すべき方が2名いらっしゃいますので、その方の会見ということで開かせていただきました」という説明が。
謝罪に現れたのは、900兆円を着服していたアオリーカと、その付き添いの店長だった。
FANからの「ご家族はどのようなことをおっしゃっていましたか?」という質問にも、「大変大きいお金だね、と」言われたとコメント。続いて、「この世にはいろいろな嫌な学校があると思うんですけれども、どのような学校が嫌だと思われますか?」という質問が。すると、横に付き添っていた店長にささやかれたアオリーカは、「校庭にアシュラマンの遊具が2、3個ある学校は嫌だな」と回答。「船場吉兆のおかみだ!」「反省してんのかアイツ?」とバッシングを食らうことになった。
ここからは、記者席にいる出演者たちからの質問に、アオリーカが答えていくという流れで、謝罪会見式の大喜利が行われた。
次に登場したのは、子供たちの安全を守る仕事をやらなかった罪で謝罪に来たKouと、なぜか再びの店長。「あれは吉兆だったから女将がいただけで、皆につくわけではないんだよ」という寺田の指摘に笑いが起こる。
「シーソーがみんな嫌って言って、乗ってくれなくて……」というKouの切実な弁明を受けて、記者団からは「このようなシーソーだったら嫌だな」というお題が。Kouは「シーソーというのは子供を喜ばせるためにあるもので、嫌なシーソーなどというものは、存在してはならないんですよ」と涙ながらに語り、客席からは拍手が起こった。このシーソーの話題を受け、まさかの質問が飛び込んでくる。
ミネ「週刊ミスターチルドレンのミネです。シーソーのお話をされるということで来ました。次回、Mr. Childrenが新曲を出した時のタイトルはわかりますか?」
Kou「私は音楽のことはとんとわからず、子供たち一筋でやって参りました……。ただ、『ミスチルのすべて』という2枚の……」
田野「ベストアルバムですか?」
Kou「そう言われても、仕方がないと……」
と、期せずして謝罪会見らしい台詞が飛び出す展開に一同大爆笑だった。新曲のタイトルを聞かれただけで、「今責めてないのよ!」とツッコまれていた。
また、「ひよこクラブの者です。読者の赤ちゃんに向けてメッセージをお願いします」という質問に対しては、「私は、家族がいなくて、妹と二人で暮らしていたことが2年あります。なので、赤ちゃんというものは、あんまり存じ上げないのですが……逆に聞きますが、赤ちゃんとは、何?」と、Kouも女将の店長も赤ちゃんを知らない様子であった。
田野のファンが大荒れ!?波乱の実況スレ企画!
この日最後の企画は、「実況スレ」。後ろのスクリーンにスレッドが表示され、大喜利お題に答える人と、実況スレに書き込みをする人に分かれるという形式だ。早速、田野「wktk」店長「Kou質問してて草」といった言葉が並び、会場からは笑いが。
2問目の「飼い猫の動画で初めてTwitterでバズった人が次にあげた動画」というお題には、ジョンソンともゆきが「バズったので宣伝します、日本という国ではひらがなが使われています」と回答。これに対してスレ上では「ま?」という反応があり、そこから非常に美しい展開を遂げていった。
他にも、「鬼滅の刃」や「KREVA」といったワードでスレッドが盛り上がったり、大喜利の回答とは全く関係のない会話に花が咲いたりと、回答もスレッドの動きも楽しめる新しいスタイルが形成されていった。続いて回答者とスレッドへ書き込むメンバーが入れ替わり、「全員が恋人を作る目的で入団している交響楽団」というお題へ移ったが、相変わらずスレッド上には荒らしが多発。
最後は「夢に出てきた10年前の自分が今の自分に向かって一言」というお題が出された。しかし、田野の「アイリちゃんとは同棲してるか?」という回答によって、先ほどの田野ファンたちが荒れ始め、会場もざわつくこととなった。
さらには、田野の「ハイスクールマンザイでいっしょに出てたからし蓮根面白かったよな」という回答に対しては、「からしれんこんってあいり?」(寺田)という、田野の過激ファンによる元カノの特定を目指すようなコメントが目立った。
2時間半に及んだ「荒城の月×メランコリー大喜利LIVE」は、大盛況のうちに幕を閉じた。YouTubeの人気コンテンツである「大喜る人たち」の広がりにも見られるように、プロの芸人だけでなく、面白く活動的なアマチュア大喜利プレイヤーは多く存在している。大喜利大会への参加などは敷居が高く感じられるかもしれないが、こういったライブ形式のイベントは観に行きやすく、趣向を凝らした企画や生のイベントならではの回答に笑えること間違いなしだ。お笑いライブ好きの方は是非、大喜利シーンもチェックしてみてはどうだろうか。
ライター:噂のそうせきゅん