転職したいなら、今の職場で吠えてみよう《春とヒコーキ「VIP ROOM HARUHIKO ~秘め問い~」第二十三回》

『VIP ROOM HARUHIKO』は、春とヒコーキが読者から寄せられたお悩みに回答する場所。恋愛や仕事など、あらゆるお悩みに対しふたりの視点でアドバイスします。

バキバキ童貞としてネット世界に君臨するぐんぴぃさんと、喋るとサイコパスが滲み出る土岡さん。“人間” をしゃぶりつくすような多角的な魅力にあふれるおふたりは、果たしてどんな回答をくれるのでしょうか?お楽しみください。

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お悩み①気持ちが中途半端な自分に嫌気がさしている

私は大学を卒業し、1年間ニートになったあとなんとか知り合いに口利きをしてもらい、今の会社に入りました。いわゆるコネ入社の会社員2年目です。
ただ、順調に大企業に行った友人達が結婚し家庭を持っていくなか、自分が取り残されている気持ちになり「もっといい会社に転職をしたい」などとつい考えてしまいます。
しかしニートだった頃のことを考えると贅沢なことだと思いますし、わざわざコネで入れてもらったのに簡単に辞めるのも少し気が引けてしまいます。
春とヒコーキのおふたりはお笑い芸人になるという大きな決断をした際に、一番はなにに背中を押されましたか?
中途半端な気持ちで仕事にも転職にも振り切れない自分に嫌気がさしてしまっているため、なにかアドバイスをいただけますと幸いです。

HN.メガネ男子2号/26歳/男/東京

ぐんぴぃの回答

芸人になるか、会社員を続けるか選ぶタイミングがあったのですが、決断を後回しにしてしまい、延々と伸ばしてしまいました(なんと3年間)。最終的に、痺れを切らした相方に詰められて、芸人をやりたい気持ちが勝った僕は仕事を辞める決断に踏み切ることができました。

今思うと、うだうだ悩んでる時期が実は快適だったんだと思います。良くも悪くも安定はしていましたし。猛烈に不快だったらもっとがむしゃらに生活を変えてるはず。芸人になる(会社を辞める)と決めてからは、職場で無茶苦茶な施作を敢行し、あえて居心地を悪くするようにしました。二度と戻れないように

相談者さんも今の生活が、変えたいほど不快ではないのでしょう。仕事か転職か、どちらか気持ちが大きい方を選んで、そうじゃない方の居心地が悪くなるように仕向けてもいいかもしれません(転職したい場合は、今の職場で吠えてみるなど)。

土岡の回答

ぼくは「どうでもいいや」があったと思います。最初は「芸人になるなんて大それたことを……」という気持ちがありました。でも3年間ニートをしたので、就職に対しても「就職なんて大それたことを……」と思うようになり、どっちでもよくなって踏ん切りがつきました

今満足していないんだったら、ニートだった頃を引き合いに出して「欲張っちゃいけない」と思う必要はないと思います。いろいろ与えられている現状に感謝するのはいいことです。でも、過去の状態を必ずしも前提にして考える必要はないです。

長期連載のマンガって、冒険ものからバトルものに変わったり、最初に重要だったキャラがそうでもなくなったり、やってるうちに前提がどっか行きますよね。始まりやきっかけは無視して、今の気持ちスタートで考える、でいいと思います。悟空は初期にウーロンと冒険してたことなんて覚えてないと思います。

ウーロンのことは忘れましょう。

お悩み②:人を見下してしまう

ぐんぴぃさん、土岡さん、こんばんは。
最近、人を見下してしまうことが多いです。自分より下の人を見ては「私はこんなのじゃない、もっと上手くできるはずだ、この人よりは優れているんだ」と自分を安心させることに使ってしまいます。人を見下すなんて良くないことなのに……と思う一方、思うだけで誰にも迷惑をかけていないのになにがダメなんだ、とも思ってしまいます。 自分に自信が無いから故の行動なのかなとは思うのですが、おふたりはこのように人を見下して自分を安心させることをどう思いますか?

(HN.杏/女

ぐんぴぃの回答

前にも書いたかもしれませんが、モーリタニアの砂漠に住む賢人が「辛い時は自分より下を見ろ。上を見てはいけない」と語った話が好きでして。砂漠という過酷すぎる環境に置かれてる人は、下を見てはいけない、なんて綺麗事は言わないんだなぁと。生き残るために下を見る。辛すぎる時はしょうがないです。

元同居人のサスペンダーズの古川さんが、好きなラジオ番組の話題になったときに「自分よりつまらない、見下してる芸人のラジオしか聴いてない」と言ってて、人が悪すぎて笑ったことがあります。古川さんは持ち前の卑屈さからか、幸せそうには思えません。やはりオススメはできないですね……。

土岡の回答

怒りを燃料にしてパワーを出すのはいいことだと思います。人を見下すのも捉え方によっては、「自分は特別。埋もれてたまるか」というモチベーションで頑張れるということだと思います。GLIM SPANKYの「怒りをくれよ」という歌が、怒りをパワーに変えることをパワフルに表していて鼓舞されます。

見下して安心して終わりだと、「自分の性格が悪い?」と悩んでしまいます。だから、見下しで終わらせずに、自分はもっとやれるんだとエネルギーに変えればいいと思います。

自信は持てなくてもいいんじゃないでしょうか。自信がないから「こいつらより上だと証明するぞ」と奮闘するのがデフォで全然いいと思います。杏さんの言うように、自分の中で思ってるだけなら大丈夫ですよ。ちゃんと頭にアルミホイルを巻いておけば傍受されることもないですしね。


次回の『VIP ROOM HARUHIKO』も、お楽しみに。

アドバイス:春とヒコーキ
構成:堀越 愛、サムネイル:つるみ32、写真:フクダ

PROFILE

タイタン 所属

左:ぐんぴぃ
右:土岡 哲朗

★公式プロフィール:https://www.titan-net.co.jp/talent/haruhiko/
★公式YouTube:春とヒコーキバキ童チャンネル【ぐんぴぃ】