2022.01.18
【教えて!さすらいセンパイ!】さすらいラビーが学生芸人のリアルなお悩みに回答!~「プロになる?」学生芸人アンケート~
『さらば青春の光 東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』(ラジオ関西)は、同志社大学出身の元学生芸人・東ブクロ(さらば青春の光)がパーソナリティを務めるラジオ番組。個性豊かな学生芸人が番組を訪れ、東ブクロとトークを繰り広げています。
★過去の放送はコチラをチェック!
2021年11月末、番組のスピンオフ企画『学生芸人の不安を解消!教えて!さすらいセンパイ!』を実施しました。
これは、30分の収録時間では深掘りしきれない学生の“お悩み”をプロ芸人に直接解決してもらおうという企画。元学生芸人の“センパイ”として、誰よりも学生芸人への愛が深い(!)さすらいラビーに協力を依頼しました。
進路相談をする学生芸人は、野尻(東京大学落語研究会)・栗山(早稲田大学お笑い工房LUDO)・清水(明治大学お笑いサークル木曜会Z)の三人。いずれも、卒業後は「プロ」を目指しています。
学生芸人の大会やライブで、MCを務めることも多いさすらいラビー。少し緊張気味の学生たちに「私服そんな感じなんだね」など声をかけつつ、和やかな雰囲気で進路相談がスタート!
進路相談、開始
中田 和伸(以下、中田): こういうの任されるランクなんでしょうか? 僕たちは。
宇野 慎太郎(以下、宇野): 我々に聞きたいと思ってる学生芸人もいるし、俺らが答えているのを見たい方もいると思って、スタッフさんが抜擢してくれたわけですから。
中田: 我々がこういうのやっていいのかっていうのが一つと、こういうスピンオフができるほど、この番組って盛り上がってるのか、僕あんまり分かってないんですけども。
宇野: 盛り上がってるってことよ! だからスピンオフができるわけだからね。
中田: ほんとですか。
宇野: やらせてもらえるのはありがたい限りですよ。「学生芸人ならではの悩み」もあったりするわけで。僕らも学生芸人出身ということで、なんかありました?
中田: え~……。意外に芸人ってモテないんだな、ってのはありましたね。
宇野: 悩みじゃないけどね、それ(笑)。結果だろ(笑)。
中田: 学生芸人って、大学生でもありながらお笑いの活動もしている……なんだろな、良い子たちの集まりですからね。大学生っていうのは。
宇野: 基本的にはね。
中田: 悩みありましたね、いっぱいね。
宇野: 俺で言うと、大学行ってるわけだから、親は「息子が芸人になる」とは思ってないわけよ。高校卒業していきなりお笑いやるなら納得いくだろうけど、「お金払って良い大学行かせてるのに、プロになるんかい」っていうのが絶対あるから。そこを説得するしんどさは、意外と学生芸人のほうがあるんじゃないかなと思ったりする。
中田: 説得するしんどさね。親からしたら、たまったもんじゃない。……なに? しんどいって。
宇野: 親もしんどいけど、こっちだってしんどいんだぞ! っていうのもあったりしますからね。それぞれの悩みがあると思いますので、できる限り答えていきたいと思います!
【進路相談に訪れた学生芸人】
①野尻 佐央(東京大学 落語研究会)
・「無尽蔵」というコンビで、普段は漫才をしている。
・相方はプロ志望ではない
・先日単独ライブを行い、新宿バティオスを満席に
★「無尽蔵」 インタビュー
★「YOAKEMAE」出演回
②栗山 浩樹(早稲田大学 お笑い工房LUDO)
・「フランジェリコ」というコンビでコントをしている。
・相方はプロ志望ではない
★「フランジェリコ」 インタビュー
★「YOAKEMAE」出演回
③清水 駿平(明治大学 木曜会Z)
・ピン芸人。プロになってもピンを貫きたいと考えている
・映像や音響を多用する個性的な芸風
★「清水駿平」インタビュー
★「YOAKEMAE」出演回
学生芸人アンケート「芸人になりたい?」
まずは、現役学生芸人(20名)から集まったアンケートをもとに意見交換を実施しました。
※回答
1年生:9名 / 2年生:4名 / 3年生:4名 / 4年生:3名
Q.将来は「プロの芸人」になりたいと思いますか?
宇野: 「なりたい」が30%。
中田: 意外に多いね! もっと少ないと思ってた。
宇野: 「どちらかというとなりたい」が25%。半分以上の人がなりたい側なんだ。
〈 「なりたい」/「どちらかというとなりたい」派 〉※一部抜粋
●法政大学お笑いサークルHOS・大久
日常会話で一つも面白いことが言えない自分のネタを面白いと褒められた時に涙が出るほど嬉しいから。
●上智大学お笑いサークルSCS・渡邊頼将
病気になり、入院した時にテレビのお笑いに命を救われたから。
●東洋大学落語研究会・AKIRA
自分の好きなことでお金を稼げたら良いと思うから。
●早稲田大学お笑い工房LUDO・ゲルマンノーゲルマン 白井
漫才が大好きだしお笑いも大好きだけど、仕事にしたら好きじゃなくなってしまうと思うから。あとはシンプルに生活を続けられるかどうか不安だから。
宇野: なりたい気持ちはあるけど、どうしようかなって迷いがある人もいるよね。
中田: これからいろんな壁にぶつかっていくと思うんだけど、不安無い? お笑いを嫌いになっちゃうかも、みたいな。
栗山 浩樹(以下、栗山): 嫌いになりしだい辞めます。
中田: まぁそうだよね。
栗山: 好きでいるうちは、ずっとやりたいですね。
中田: 片思いと一緒だよね。嫌いになったら辞めりゃいいだけだから。確かに、それは理にかなってるよね。
宇野: 好きなうちは続けりゃ良いもんな。
中田: 清水とか、一生好きそうだよな。お笑い無いとダメみたいな。みんな、ある意味そうだろうけど。
清水 駿平(以下、清水): お笑い以外の趣味が、Twitterで……。
中田: 言ってたね、Twitterが趣味って。終わってんのよこいつ。
宇野: Twitterが趣味か(笑)。
中田: 僕はめちゃめちゃ分かりますけどね。
宇野: 中田もTwitter大好きだからね(笑)。
〈 「どちらかというとならない」/「ならない」派 〉※一部抜粋
●上智大学お笑いサークルSCS・北村(兎飯店)
まだ1年生なので将来のことはあまり考えていないです。ただネタを書いてる時とやってる時がこれまでの人生の中で一番楽しいので、この先次第では進む可能性も。
●早稲田大学お笑い工房LUDO・匿名希望
「大学生の間だけ」だからこそ楽しめてる気がするから。
宇野: 三人はさ、いつ頃プロの芸人になりたいと思ったの?
野尻 佐央(以下、野尻): 高校生のときにはなりたいと思ってました。
中田: じゃあ変な話、大学生活もそのための4年間って感じ?
野尻: ここ(学生芸人の活動)で心を折られなかったら……みたいな。
中田: なるほどね。
宇野: よっぽど滑りまくって、「もう無理じゃん俺なんて」ってならなければってことね。
野尻: プレで学生芸人をやっといて。
中田: なるほどね。これ、けっこう珍しいかもね。折れずに来れた?
野尻: 一応、ポッキリはいかなかったですね。
中田: ムズイけどさ、「なりたい」が元々100あったとして、4年間通して100のままなのか、ちょっと自信無くなったりもしたのか……
野尻: 波あって100に戻ってきたみたいな感じです。
中田: なるほどね。『ガチプロ』※で優勝したりとかもあって、いろいろあって……。
※プロが審査する学生芸人のコンテスト
宇野: 大事よね、結果残せるかどうかは。自信に繋がったりするわけですからね。栗山は?
栗山: 中学・高校くらいから興味はあったんですけど、大学進学と同時に地方から東京に出てきまして。大学1年生の夏に、初めて『キングオブコント』の準決勝を生で観に行ったんですよ。そこで「あちぃ~!」と思って。
中田: 大学1年生の頃。ちなみに誰が出てた?
栗山: 優勝がハナコさんのときですね。生で観て、熱気とかが凄くて。「ここで戦ってやろう」と思いまして。
宇野: 見に行って、「なりたい」って強く思ったんだ。
栗山: そうです。その日の帰りの電車で、熱すぎてちょっと泣いてしまって……
中田: 最高だね。『キングオブコント』準決勝を見た帰りに、泣く。
宇野: いないんじゃない? そんなやつ(笑)。観に行って泣いて帰るやつ。
栗山: それがけっこう、大きなきっかけですね。
宇野: いろんなきっかけあるなぁ~。
中田: ちなみにどこ出身?
栗山: 新潟です。
中田: そうなんだ。ってなると、お笑い番組なんて1個も無いだろうからな。
宇野: そんなことねぇよ(笑)。まぁ、生でお笑いを観る機会ってなかなか無いだろうからね。
栗山: 地方だと無いので、衝撃を受けましたね。
中田: 強烈だね。
宇野: 清水は?
清水: 自分はですね、高校の頃には「なりたい」って思ってたんです。最後の文化祭で漫才やって、ここでウケたらなろうと思ってたんですよ。
宇野: なるほどね、決めてたんだ。
中田: 高校生でも大学生でもあるあるだけどさ、賭けるよな、1個の舞台に。俺らもめっちゃ分かる。「これで優勝したらなる!」って挑んだ大会で、4位だったからね。
宇野: まぁ4位なら、やって良いかみたいな(笑)。
中田: 4位……まぁまぁ、評価はされてるしなぁみたいな。結局(芸人になると)決まってるんじゃん、っていう。
宇野: で、その文化祭で?
清水: 死ぬほど滑って。
中田: なるほど。ポキッと。
清水: 挫折しまして、大学ではちゃんと勉強して就職しようと思ったんですよ。それで、ロボットサークルに入って。
宇野: ロボットサークル?
清水: 毎朝10時に学校行って、夜22時までネジ回して帰るっていう生活をしてました。
中田: ネジを回して帰る?
清水: 勉強がマジでできなくて、ただネジを回すだけの役割を与えられて……
中田: 単純作業を延々としてたんだね。
清水: ある日サークルでプレゼンがあったんですよ。上手く説明ができないから、自分なりにユーモアを出してなんとか差別化しようと思って。
中田: ロボットの知識も無いし、弱いから。
清水: なんとか自分の立ち位置を確保しようと思ったんですけど、「君のユーモアはマジでいらない」みたいに言われちゃって。
中田: ユーモアはいらない……。ウケた?
清水: けっこう良かったんですけど、一番偉い先輩に「君の個性はいらない」って言われちゃって。
宇野: エグいこと言うねぇ。
清水: それで、もう1回お笑いやってみるかと思ってお笑いサークル入りました。そこから模索して、芸人になりたいと思った感じです。
宇野: この4年を通して、「なりたいな」って気持ちが強くなったのか。え~、いろいろあるね。
中田: その「個性」こそ必要だからね、お笑い。
清水: ほんとにありがたいですね。
宇野: 「お笑いが俺はやりたいんだ」って、あらためて気付いたってことね。続きまして、これからプロになる三人と面談して、悩みを解決していきたいと思います!
個別進路相談
学生芸人のリアルなお悩みに、さすらいラビーがガチで答える進路相談!
それぞれの相談内容は、下記よりご確認ください!
★栗山編:相方探し・平場の立ち回り・モチベーション
進路相談を終えて、振り返り
宇野: どうでした?
中田: みんな面白いから、大丈夫だなって思います。
宇野: そうね。それぞれいろんな悩みあったけど、まぁ大丈夫だろうなって感じだね。
中田: 大丈夫だと思うし、俺らも大丈夫だなって思えた。
宇野: なにせ、大ファンが一人いたからな。
中田: 俺らは三回戦で落ちるタマじゃないって分かったからね。勇気ももらえたから。めちゃめちゃ良い機会でした。
宇野: では、三人に感想を聞いていきましょうか。まずは野尻!
野尻: ほんとありがとうございました! 来年マジで『M-1』、マジ絶対……
中田: ファンなんだよなぁ!
宇野: ファン過ぎるのよ(笑)。
野尻: 決勝はまぁ行けると思う。
中田: 決勝は行ける!?
宇野: 決勝は、か。
中田: 気持ちが良いわ。
野尻: お客さんの感じとかにもよると思うんすけど、準決勝は行ってくれないと。
中田: そうだな。ちょっとピリピリし出す10月くらいに呼んで良い?
宇野: そうね、安心したいからね(笑)。絶対行けますよ! って言ってほしいもんね(笑)。栗山はどうでした?
栗山: ほんとに勇気を貰えました! なんか、売れる気がします!
中田: 大丈夫か(笑)?
栗山: 勇気を貰えました!
宇野: そう思ってもらえるなら、こちらとしてもありがたい限りだけど。
中田: 相方見つかると良いね。
宇野: そうね。もしかしたら連絡来るかもしれないから、会ってみてね。さぁ清水、どうでした?
清水: 本当に、本当に、感謝です。
宇野: 俺、清水に手応え無いんだよな。良いアドバイスできたのか。
中田: そうそう。なんか、事件を起こしそうなのよ。
宇野: お前を野に放っていい気がしないんだけど。大丈夫?
清水: これから早起きして、毎日Twitterやります。
宇野: 良いよTwitterは(笑)。
中田: 早起きって(笑)。朝のことはなんも言ってなかったよ、俺ら。
宇野: そんなことは一言も言ってない(笑)。まぁ、大丈夫だった?
清水: はい、大丈夫でした。
宇野: 良かった(笑)。僕らもいろいろ言いましたけど、あくまでも“僕らの意見”というかね。最後は、各々が考えたことをやりきっていただくだけだと思うんで。
中田: 僕らの言うことを聞くような人は売れないですから。人の意見に左右されるような人は。
宇野: 俺らの言ったとおりにしてれば良いなんて、そういう話では無いからね。
中田: だから、お笑いは難しいし、面白い。
宇野: いろんな人の意見を聞いて、自分の信じることをやってもらいたいと思います! 僕らが教えることは以上ですのでね。彼らの今後の活躍に期待してください!
写真・文:堀越 愛